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井戸さんの子どもの場合、約1年かけて裁判を通して現夫の子と認められるのだが、こうした法律のすき間にするりと落ちてしまい、そのまま苦しみ続けている人は少なからずいるだろう。また、無戸籍者を生むケースとして、他にも親の住居不定や貧困などの事情から、出生届を出すことまで意識が至らない、もしくは意図的に登録を避けるということも多いそうだ。
戸籍は自分の存在を証明してくれるものだ。井戸さんは本書を通して、戸籍を持たずに生きることの苦しさを代弁しながら、それでもなお希望を捨てずに生きる人々の姿を描く。
この問題はテレビをはじめとしたメディアでも取り上げられるようになったが、どうしてもセンセーショナルな報道になってしまう。井戸さんはそういったメディアが語らなかった「避けられ続けてきた部分」も丁寧に掬っている。それは1,000人以上を支援してきた彼女だからこそ触れられる部分なのかもしれない。
本書にはさまざまな無戸籍者の人生が書かれながら、政治家として著者が政治の現場でどのようなことを伝えようとしてきたのかが語られている。
雅樹さんは就籍することができたのか? 現代の日本で起きている現実を直視する一冊だ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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