(3)消費税増税と政党の奇妙なジンクス
「アベノミクス」の停滞から消費税10%への引き上げに対する先送り論が議論されているなか、いつ安倍晋三総理大臣がその判断を下すか、注目を集めている。
さて、これまで日本は2度の消費税増税を経験してきた。1997年の「3%→5%」、そして2014年の「5%→8%」である。ここには奇妙な共通点がある。消費税増税の法案を通した政党は、その後名前を消しているのだ。
1997年の増税では、1994年11月に日本社会党の村山富市政権で法律を成立させている。しかし、1996年1月に村山内閣が総辞職した後、社会民主党へ改称が決まり、政党名は消滅。2014年の増税は、2012年8月に民主党の野田佳彦政権が法案を通したが、2016年3月に維新の党との合併によって民進党が発足し、民主党の名は消えた。
となると、10%の増税はどうなるのか。増税の法案を通したのは民主党の野田佳彦政権である。この観点から「民進党」はどのような動きをするのか、注目せざるを得ない。
■経済の「予測」はこれからを生き延びる上で重要だ。
これらを「こじつけ」と一蹴することはできるかもしれない。しかし、「歴史は繰り返す」ものであり、その法則性は無視できないところがあるはずだ。
特に投資しててる人たちは、この先、世界はどのように動いていくのかということを見極める力を持たなければ成功はできないが、そこには過去と現在の分析は必要不可欠となる。
本書で塚澤氏は「サイクル」を大きな切り口に、大胆な経済予測を展開する。それはスリリングなものであり、示唆に富む情報が散りばめられている。
(新刊JP編集部)
関連記事
・アメリカ発の金融危機を大胆予測! NY在住、著名コンサルタントが斬る今後の経済
・「食べ放題」スタイルの飲食店が潰れない理由
・小宮一慶氏が大胆に近未来の経済を予測―【書評】『ビジネス読解力を伸ばす未来経済入門 』
・悪性インフレという「第2幕」が世界を恐慌に陥れる?―【書評】『恐慌 第2幕』
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。