上司や同僚から評価されたい。ちょっとした見栄も手伝って、「ムリめな目標」を立ててしまったことはありませんか。
でも、いざ実行に移してみたら、次から次に他の「やるべきこと」が発生。結果、手がまわらなくなり、目標は達成できずじまい、というのはよくある話です。
こんなことを繰り返していたら、周囲からの評価は下がる一方。であれば、発想を変えて、「何をやめるか」を決めるほうが得策です。
■人が行動を起こすときに必要なのは意志エネルギー
『やらない決意』(道幸武久著、集英社刊)(井口晃著、サンマーク出版刊)によれば、人が何かの行動を起こす原動力になるのは「意志エネルギー」。しかし、これは有限であり、何かを考えたり決断するたびに減っていくもの。
だからこそ、成果を出したいのなら、ムダなことは「やらない」と決め、本当に大事なことだけに意志エネルギーを集中させるのが望ましいのです。
では、そのムダなこととは、どのようなものなのでしょうか。
■朝イチでメールやSNSをチェックしない
意志エネルギーを有効活用するために、意識すべきことの一つが時間の使い方。その意味で、午前中にメールやSNSのチェックすることはよろしくありません。それらの情報に触れることで、感情を揺さぶられてしまうからです。
感情が揺さぶられるなかで、無意識のうちに「あの人がやっている●●は面白そうだから自分も真似してみようか」「この人に先を越されるのは悔しいから対抗してみようか」といったことを延々と考えてしまい、その結果、意志エネルギーを浪費してしまうというわけです。
■距離を置きたい人にはメールの返信を遅らせる
もう一つ、意思エネルギーを著しく消耗させてしまうのが、嫌いな人や気の合わない人と一緒にいること。
とはいえ仕事であれば、「切りたくても切れない」関係は付きものです。親しくするメリットがなくても、生理的にムリな人でも、ストレートに「あなたとお付き合いしたくありません」と伝えるわけにはいきません。
そこで井口さんが推奨するのは、メールの返信をわざと遅くするというもの。通常、24時間以内に返すところを、3日ほど空けて返信するのです。そうすることで、遠まわしに相手のことが苦手な気持ちを伝えることができ、距離を置きやすくなるからです。
■親しくなりたい人とは名刺交換をしない
これまで当たり前だと思っていた常識を疑ってみる。これも日常のなかに潜むムダを見つけるために欠かせない姿勢です。
井口さんが「これはムダ」と言い切るのが名刺交換。 その理由として、名刺を交換しただけで人脈が広がったように錯覚してしまうこと、そして何より名刺の管理が面倒なことを挙げています。
よって井口さんは基本、名刺を使いません。