突然だが、あなたは今の年収に満足しているだろうか。
100%満足している人など稀で、多くの人は「もっと年収が上がれば……」と思っているのではないだろうか。
もちろん、年収が高いに越したことはない。しかし、数千万の年収を手にしながら家庭崩壊してしまう人もいれば、年収数百万でも穏やかに幸せな生活を送る人もいる。そう考えると、お金は幸せを運んでくれるとは限らない。
私たちはお金とどう向き合えば幸せになれるのだろうか。
■まず「自分はどうお金を使えば幸せになれるのか」を明らかにする
「幸せはお金で買えない」と言う人がいる一方で、「お金がないから幸せになれない」と嘆く人がいる。冒頭でも書いたように、「お金と幸せの関係」については、一筋縄ではいかない問題だ。
そこで参考にしたいのが、『見える化すればお金は増える! 書き込むだけでみるみる貯まるマネバナノートの作り方』(集英社刊)の著者、長岐隆弘さんの「まずは、お金で買える幸せをきちんと『見える化』してみよう」という考え方だ。
「お金で買えない幸せ」がある一方で、「お金があれば手に入る幸せ」も確実に存在する。自分の場合、どんなことにどうお金を使えば幸せなのか? これを把握することが「見える化」だ。
■親を通じて自分の価値観を知る
本書では、この「見える化」のために、いくつかの質問を紹介。これらの質問に一つ一つ自問自答し、その思考プロセスをノートに記録していくことで、自分のお金に対する価値観が明らかになるという。
例を挙げてみよう。
・子どものころ、親からどんなふうにお小遣いをもらっていましたか?(お小遣いの頻度や金額)
・あなたの親のお金の使い方を思い出してください。(出費を惜しまないものや、出費を渋るもの、自分もマネしたい使い方、マネしたくない使い方など)
これらはどちらも、あなたの親のお金に対する価値観を知るための質問。これによって、その親から影響を受けているはずの自分について考える足掛かりにするというわけだ。
■「結局、自分はお金に何を求めているのか」を知る
さらに、質問例を紹介しよう。今度は自分の価値観を知るための質問だ。
・あなたの前に魔法のランプの妖精が現れ、「すぐに使い切らないと消えてしまうお金をプレゼントしよう!」といわれたら? ただし「貯金」は不可。
・お金の使い方で「いいな」と思うものと「イヤだな」と思うものは?
・あなたにとってお金とは何ですか?
これらを自問自答し、書き出していくことで、自分がお金に求めるもの、つまり価値観が見えてくるはず。本書ではさらに多様な質問を紹介し、「自分とお金」について考えるヒントを投げかけている。