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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

パンやパスタ、牛乳中心の食事は危険!健康を害する可能性、米離れの甚大な悪影響

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
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パンやパスタ、牛乳中心の食事は危険!健康を害する可能性、米離れの甚大な悪影響の画像1「Thinkstock」より

 本連載前回記事において、「風土はフード」だと説明しました。

 農耕民族である日本人に一番合っている食べものは、やはり日本の伝統食であるお米ではないでしょうか。

 日本人のなかには、牛乳を飲むとおなかを壊す人がいます。これは乳糖を消化する酵素が少ないか、その働きが弱いためです。あらかじめ乳糖を分解してある牛乳も販売されていますが、それもナンセンスな話です。牛乳を飲んでおなかがゴロゴロするのは、「飲まないでほしい」という身体からのサインです。

 寒い国の人で、牛乳を飲んでおなかを壊す人はまずいません。寒い所で暮らす人々は肉からたんぱく質を得ますが、肉にはカルシウムが少ないため、生活の知恵として牛乳を大量に摂るようになったのです。

 同じように、欧米人は海苔を消化する酵素を持っていません。海苔を消化する酵素を持っているのは、世界中で日本人だけというという研究も報告されています。お寿司の巻物を食べておなかを壊してしまう欧米人もいるといいます。

 日本の食生活が欧米化したといっても、せいぜいここ50~60年のこと。やはり、先祖代々日本人が食べてきたものが身体に合うようになっているのです。

 民族によって、身体に合う・合わない食事があるのは当然ですが、もっといえば個人単位でも合う・合わないはあります。栄養学的に見て「栄養がある」ことと、「自分に合う」かどうかは必ずしも一致しないのです。日本人であってもお米が苦手だったり、お米を食べると胃がもたれるという人もいるのは事実です。人それぞれ体質に合わないものがあるのは仕方のないことですが、それでも生まれ育った土地のものを食べるのが基本でしょう。その中から、自分に合ったものを探していくべきだと思います。

「見直したい日本の食文化」

 繰り返しになりますが、人が自分の住む環境になじむためには、その土地柄に合った食べものを摂ることが大切で、日本人にとっての理想の食事は、当然のことながら和食です。

 日本人が先祖代々食べてきたものは、私たちの身体の中で消化・吸収しやすいようにできています。これはいくら食生活が欧米化しようとも、変わらない事実です。

 食の欧米化に伴い、大腸がんや乳がん、メタボリックシンドロームになる人が増えています。それは、農耕民族である日本人の体質に合っていないからだと考えられています。欧米人が海苔を消化する酵素を持っていないように、日本人には肉や乳製品を消化する酵素の量が少ないこともわかっています。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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