マレー半島の南端に位置する小さな国家・シンガポール。マレーシアから独立を果たした1965年当時は、国土は狭く、資源もない、中国人、マレー人、インド人が混在する新興国でした。しかし、国策によって外資系企業の誘致に成功。今なお急成長を続け、現在は東南アジアを代表する金融立国となっています。また、観光立国としても有名で、さまざまな文化が織りなすエキゾチックな名所の数々もよく知られているところ。
実はこのシンガポールの繁栄について、ランドマークやシンボルともいえる建物の「風水」を通して分析すると興味深いことが分かります。
シンガポールに本部を置くIFSA(国際風水協会)認定風水マスターで、シンガポール在住経験のある藤木梨香子さんによれば、華人実業家たちは風水コンサルタントを抱え、自身の経営するホテルやショッピングモール、オフィス、そして自宅に至るまで、風水に気を遣っているのだとか。
風水は古代中国の思想を元にしています。そのため、華人が多いシンガポールにとって風水が馴染み深いものであることは想像に難くありません。そして、この風水の思想は、日本のビジネスの現場でも役立てることができるのです。
■金融立国シンガポールを活発にする「フライングスター風水」とは?
藤木さんの著書『はじめてのフライングスター風水』(自由国民社刊)は、実際にシンガポールで活用されているといわれる「フライングスター風水」の事例を用いながら、ビジネスで成功するための物件選びやフロアプランの手助けをしてくれる一冊。
「フライングスター風水」とは、9つの星(エネルギー)が建物の中にどう分布しているのかを知り、吉星は強化し、凶星は弱めるという対策を打つことで、財運と健康運の強化を図るという風水術です。
金運は水星(みずぼし)、健康運や人間関係の調和は山星(やまぼし)が司り、その星が飛んでいる方位を地図や間取り図、方位磁石、定規などを使って特定します。建物の方位を知る方法については、書籍に詳しく紹介されているので、ぜひ自分が使っているオフィスや家の方位を特定してみてください。
さて、その「フライングスター風水」をシンガポールの建物に当てはめてみるとどうなるのでしょうか。
例えば2011年にオープンした3階建てのショッピングモール「スコッツスクエア」。
日本でいうところの東京・銀座4丁目にあたるような高級商業地域の付近にあるこのモール街は、方角的にも建物の構造的にも、2063年まで金運が活発になるように設計されているといいます。
2023年までは最強の水星が裏口のある方角を飛んでおり、出入り口を通して金運が活性化。さらに、2024年から2043年までは中央の広大な吹き抜けに飛んでいる水星が金運を活発にし、2044年から2063年まではエントランスの部分の水星が金運を上げます。
つまり、開店してから2063年まで継続的に金運が活性化し続ける仕組みになっているのです。
また、シンガポールを代表する高級ホテル「マリーナベイサンズ」は、建築時に風水的なアドバイスを送った風水師の名前も明らかになっており、やはり金運をもたらすデザイン・構造になっているといいます。
シンガポールを守る3人のガーディアンを表したという変わったデザインの建物は、やはり吹き抜けや巨大逆噴水などを効果的に使い、遠い将来まで金運が活性化するように設計されているのです。
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「フライングスター風水」の入門書『はじめてのフライングスター風水』は、方位の測定方法やケーススタディを用いて、金運や人間関係運などが活発になるオフィス作りや家作りをサポートしてくれます。
方角や色が中心となる一般的な風水とは異なる点も多いので、最初は戸惑いがあるかもしれません。しかし、しっかり読み込めば誰でも分かるように解説されています。
まずは地図や方位磁石を使って、自分が働いているオフィスを鑑定してみてはいかがでしょうか。シンガポールが“利用した”風水パワーを、自分のビジネスに活かすことができるはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。