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※画像:『なぜ江戸っ子を「ちゃきちゃき」と言うのか』著:中江克己/PHP研究所
時代劇を見ていると、よく職人風のお兄さんが「べらんめえ!こちとら○○よ!」と、威勢よくまくしたてる場面が出てくる。
なんとなく聞き流しているが、この「べらんめえ」とはどういう意味だろうか。
『なぜ江戸っ子を「ちゃきちゃき」と言うのか』(中江克己著 PHP研究所刊)は、江戸時代に使われた言葉や当時の流行をまとめた一冊だ。
本書のなかで「べらんめえ」という言葉についての解説がされている。
「べらんめえ」は元々「べら棒」といい、「ばかやろう」という意味だそうだ。この言葉、江戸っ子のあいだで使われた言葉だが、意外にも起源は上方にあるという。
寛文年間(1661~72)、大阪道頓堀の見世物小屋に「便乱坊(べらぼう)」という人物が登場し、人気を集めたそうだ。真っ黒の体に赤い目で、頭はとんがり、猿のようなあご。愚鈍なしぐさで、見物客を笑わせた。
その見世物から、「ばか」や「たわけ」の意味で、「べらぼう」という言葉が流行したという。
ところがこの言葉、江戸では定着したが、どういうわけか大阪では使われなくなっていった。いつのまにか江戸の職人特有の言葉になったのだ。
ほかにも本書には江戸で使われていた沢山の言葉が掲載されている。 奥深い江戸の文化を気軽に楽しめる一冊だ。(文:ハチマル)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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