「働き方改革で毎日定時上がり、大いに結構。ただし、時間内で仕事が終わるなら」
そう考えているビジネスパーソンは多いことでしょう。どれだけ早上がりしても、結局、書類を持ち帰って自宅で仕事をしているようでは意味がありません。しかも、残業代がカットされ、事実上の給与減になるようでは、踏んだり蹴ったりです。
■グレーな会社は淘汰され、給与も下がる
もし、あなたの会社がこうした状況であれば「ブラック企業」とまでは言えなくても、「グレーな会社」かもしれません。政府は2017年に労働基準監督官を100名増員する方針をすでに示しており、今後、不当な労働、賃金規制に対する監視が強化されるのは間違いありません。あからさまなブラック企業だけでなく、グレーな会社もこれからは淘汰されていく流れになるでしょう。
しかし、単純に仕事の量が減り、給与が上がれば「ホワイト企業」でしょうか。一時的に、社員の待遇は改善されても、そのコストで会社の経営が圧迫されれば業績が悪化し、いずれは働く人々にも跳ね返ってきます。
では、これからの時代「いい会社」と「ダメな会社」の違いは何なのか?2018年5月に刊行された『マンガで分かる ウチの会社っていい会社? ダメな会社?』(アスコム刊)から見ていきましょう。
■よい会社は社員を正当に評価している
会社を見分けるポイントはいくつかありますが、なかでも重要なのが
・社員の価値を正しく評価しているか
・社員の頑張りに、給与アップで報いているか
・評価は数字だけで行わずに「伸びしろ」を見ているか
という点です。
これからの時代、いい会社の条件として挙げられるのが「生産性」です。生産性が低いから、違法な残業が発生し、業績も下がるのです。
そして、生産性はただ社員がむしゃらに頑張るだけでは上がりません。そのために必要なのが正当な人事評価です。「何を」「どこまで」頑張るのかという具体的な目標を設定し、結果を正しく評価する。そして、目標を達成したことで得られるメリット(給与)を会社が明確に社員に明示することが重要です。掛け声だけでは努力も工夫も生まれません。
評価は数字だけでなく、その人の行動や伸びしろも含めて判断することが重要です。営業成績に代表されるような数字はその時々の状況によって、出るまでに時間がかかるケースもあります。結果を残すためにとった行動も含めて評価すれば社員のモチベーションも上がり、バックオフィスの部署への評価も可能になります。行動と数字の2軸で社員を正しく評価しているかが、「いい会社」と「ダメな会社」の分かれ道です。
こうしたポイントは、適正な人事評価制度を導入することで実現できると、著者の高橋恭介氏は語ります。働き方改革をきっかけに、人事や給与に注目が集まりつつあります。多くの人にとって、とっつきにくいけど避けては通れない話です。マンガで分かりやすく解説されているので、これを機会に学んでみるのもいいかもしれませんね。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。