世間の好況に関係なく自分の賃金は上がらない、出世レースからも外れて「この先自分はどうなるのだろうか」という不安感に苛まれるのが40代です。
この先、20年は働かなくていけないのに、今の仕事に手ごたえは感じられず、35歳以上になると急に転職が難しくなる「転職限界説」もあり、転職をしたとしても良い仕事につける可能性は低いでしょう。
自分の人生は自分で守る時代です。このまま不満を抱え続けながら生きていくのか、それとも一歩踏み出すのか。もし、一歩踏み出すとしたらどうすればいいのでしょうか。
『働き方 完全無双』(ひろゆき著、大和書房刊)から「働き方」、そして「生き方」に変革を起こすための考え方をご紹介しましょう。
■会社だけがあなたを認めてくれる全てではない
上司やお客さんから認められると、誰もが嬉しいものです。ただ、上から認められることがすべてであり、そのために仕事をするのは間違いでしょう。
著者のひろゆきさんは「たしかに、仕事は結果がわかりやすいのですが、別に仕事でなくても承認欲求を満たすことはできます」と指摘し、子育てをはじめ、承認欲求を満たしてくれるものはたくさんあると述べます。
一つのものに依存するから苦しくなるのです。そして、逆に承認を得られない場合は「なんで認めてくれないんだ」とストレスが溜まってしまいます。ひろゆきさんは「(他人や会社、人生への)期待値は下げられるだけ下げておくほうが絶対に人生トクなのです」とアドバイスし、ストレスフリーに生きるためのコツを伝授してくれます。
■ブラック企業から身を守るための3つのポイント
視野を広く持ち、目を覚ました。だけれども、今勤めているブラック企業から抜け出したいと思っているのに、抜け出すことができない…。そんなときはどうすればいいのでしょうか。
ひろゆきさんは個人レベルでできる3つのポイントをあげています。
・食えない弁護士に相談する
・パワハラ発言を録音できるように
・ムチャぶりを受けない体質に
詳しく説明していきましょう。
1つ目の「食えない弁護士に相談する」。これは「サラ金」や「闇金」が減った手法を応用したもので、弁護士に相談し、違法に残業代を出さないブラック企業を次々に訴えるという方法です。これによって「ブラック企業を訴えて、残業代を100万円、取り戻しました!」というメッセージがCMなどで世間に広がれば、ブラック企業は減るはず。ひろゆきさんは「弁護士が心を鬼にしてアコギな商売をしていってほしい」と述べます。
続いての「パワハラ発言を録音できるように」は、ブラック企業だという証拠を持っておくための方法です。企業側の不当な行動を録音、録画しておけば、メディアを使って拡散することも可能。今はSNSの時代ですから、個人での発信でも大きな力を持つことができます。
そして、最後の「ムチャぶりを受けない体質に」。ひろゆきさんは今後、ブラック企業の体質は「外注先」が標的になるのではないかと予測します。なぜなら「外注先」なら残業代も支払わなくて済むし、無茶ぶりができるから。それを避けるために、「なんでもやります!」という姿勢を改め、「生活のためにイヤな仕事をする」状態を作らないことを勧めます。
もしかしたら、「少し過激じゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、ひろゆきさんは「ブラックは根絶やしに」と考えています。なぜなら、ある特定のブラック企業が叩かれたとしても、そこで働く人たちは別のブラック企業に移動するだけだからです。
労働力が移動しただけでは根本的な解決になりません。いつまでも同じことが繰り返されるのみです。個人レベルで会社を訴える事例はありますが、まだまだ社会的には認知されていないとひろゆきさん。自分の行動によって救われる人が多くいるかもしれない、ということも頭に入れておくべきでしょう。
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『働き方 完全無双』は冒頭に述べたように、現在抱えている閉塞感を抜けだすための著者なりのアドバイスが書かれている一冊です。例えば若者向けには「ベーシックインカムを前提に生きよ」と述べており、そのメリットについて書かれています。
「自分の人生の選択は自分で決めるというのが大事だと僕は思います」(p.112)
この言葉を読んで、「確かに」「そうだよな」と思った人はこの本から得る学びがたくさんあるはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。