「働きアリ」から脱出できる人の3つの特徴
「副業」よりも「複業」を意識すべき
働き方改革のなかで定着しつつあるのが副業だ。社会全体が副業解禁の動きに向かっているが、副業に手を出す人の多くは「貯金」や「副収入」などの経済面の事情が動機だろう。
しかし、越川氏によれば、経済面ばかりでなく、個人の成長や生きがい探しを目的に、本業との二刀流を模索する人も増えつつあるという。
複数の名刺を持ち、NPOやプロボノなどの社会活動に励む「パラレルキャリア」活動もそのひとつで、社外の活動で得られた知見を本業に生かせるようになるのは大きなメリットだ。
ほかにもメリットは多い。たとえば、社外で働くことは自分の市場価値を知る機会となる。越川氏自身、スポットコンサルの「ビザスク」に登録し、実際にクライアント企業と対話したことで身についたスキルがどのくらいの市場価値で販売できるかを知ることができたといい、それがコンサルタントとして独立するきっかけになったそうだ。
また、「副業」ではなく「複業」を意識すると良い。副業は本業ありきの考え方だが、これからの時代、業種の異なる複数の仕事を行えたほうが生き抜く力が高まる。本業を2種類持つようなイメージで仕事をし、スキルの多様化を目指す。そうすることで、さまざまなチャレンジが可能になるのだ。
いずれにしても、副業の現場には、今の仕事に生かせる機会がたくさんある。会社が認めている場合は、自分の成長のためにもチャレンジしてみるのもいいかもしれない。
労働時間短縮につながる「内円ワークショップ」
ただ、多くのビジネスパーソンは「そもそもの業務が多すぎて時短は無理」「副業するほどの余裕はない」という悩みを抱えている。そうした人は、どのように自分の働き方を変えればいいのだろうか。
越川氏いわく、真の働き方改革とは、無駄な時間を削り、浮いた時間を正しく再配置すること。効率化すべき定型業務を抽出し、それにかける労働時間を圧縮することだと述べる。越川氏率いるクロスリバーは、オンラインアシスタントサービスCASTER BIZを利用し、定型業務を委託し週休3日を実現している。
ただ、時間には自分がコントロールできるものとそうではないものがある。コントロールできない時間を無理に変えようと思っても、大きなエネルギーが必要になってしまう。だからこそ、まずは自分でできる改善エリアを見つけて、一歩ずつ行動し、それを振り返ってさらに改善につなげていくことが大事だ。