2021年に活躍した女子アナを民放キー局5局ごとにベスト5のランキングで紹介するこの企画。第4回目はTBS編をお届けする。果たしてどんな顔ぶれになるのだろうか。
まず第5位は、田村真子アナ(25)である。現・衆議院議員の田村憲久(57)の長女であることは広く知られているが、ここにランクインした大きな理由は、4月からスタートした朝の情報バラエティ『ラヴィット!』のMCに抜擢されたこと。視聴率的には苦戦しているが、これは田村アナの責任ではない。むしろコンビを組む麒麟・川島明(42)との息もピッタリの進行ぶりで、“日本でいちばん明るい朝番組”らしくいつも楽しい雰囲気が漂っている。
面白かったのは“年末年始に家族で観たいディズニー映画SP”が特集された日だった。そのなかで『カールじいさんの空飛ぶ家』のVTRが紹介されると、出演者たちが揃ってすすり泣きし始めたのである。田村アナも作品に浸っていたかのように大号泣。ところが、その理由を聞かれると、「私、観たことなくて」と衝撃の告白。当然のようにスタジオはざわつき、出演者の1人からは「あんなの観た人の泣き方だったから!」とツッコミが入るほどだった。どうやら彼女的には、おじいさんが本当に空を飛んでいく話だと思ったという。感受性豊かな人柄がしのばれるTBSの“朝の顔”。田村アナには今後も番組内でのハプニングに期待したい。
続く第4位は、山本里菜アナ(27)だ。進行アシスタントを務める『サンデー・ジャポン』を筆頭に、情報系・バラエティ系の番組で大活躍。ほかには春改編からMCを担当している『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』や『ひるおび!』の火・木リポーター&プレゼンター、『賞金奪い合いネタバトル ソウドリ~SOUDORI~』のMCなどを担当中だ。さらに、TBSラジオでも『土曜朝6時 木梨の会』に週替わりアシスタントの1人として出演している。
山本アナといえば、やはり『サンジャポ』だろう。担当して今年1月でもう5年目に突入する。話題の転換が彼女の大事な役目だが、スタジオトークが白熱したり、脱線して思わぬ方向で盛り上がったりするなど、生放送ならではの展開で、進行が“押してしまう”ことがしばしばある。残ったコーナー自体がお蔵入りにならないように彼女が発する「次へ参ります」のタイミングがかなり絶妙なのだ。
また、積極的な進行でテキパキと仕切るだけでなく、スタジオトークやVTRにも表情豊かに素直なリアクションをみせてくれる。今やTBSを代表するバラエティの顔だけに、今後ますます活躍していくことだろう。
TBSの大黒柱が第3位
第3位は“TBSの大黒柱”江藤愛アナ(36)だ。秋改編までは情報ワイド番組『ひるおび!』の全曜日でアシスタントを務めていたが、それ以降は月~水の3日間担当になった。代わりに新しい朝の報道・情報番組として始まった『THE TIME,』の木・金のサブキャスターを務めることになった。要は週の前半は“午前〜お昼の顔”、後半は“早朝〜朝の顔”になったワケだ。
『ひるおび!』では総合司会の恵俊彰(57)から全幅の信頼を置かれているため、そのまま同番組だけでもよかったと思われるが、やはり『THE TIME,』は局のエースアナ・安住紳一郎アナ(48)を投入、社運をかけた大型番組だけに、万全の体制を取りたかったのだろう。特に金曜日の司会はアナウンサーではなく、俳優の香川照之(56)だからなおさらだ。実力派の江藤アナが控えているから金曜日も安心して観られる。この2番組に加えて『CDTV ライブ! ライブ!』の進行役も単独で担当している。
また、2021年春の人事異動ではアナウンス職のまま、“エキスパート特任職トップスペシャリスト(アナウンスセンター内の課長に相当する役職)”へと昇進した。これは人事発令時点での社歴は12年目で、局の女子アナとしては異例の早期昇進とされている。まさに名実ともに“TBSのエース女子アナ”となった。ベテランといってもいい年齢に差し掛かっているが、江藤アナの活躍はまだまだ続きそうだ。
第2位は20年入社の若手・野村彩也子アナ(24)である。父はご存じ、狂言師の野村萬斎(55)でバリバリのサラブレッドなのだが、入社2年目にしてその期待に見事に応えている。現在の担当番組は『王様のブランチ』の隔週サブMCに『よるのブランチ』のサブMC、『賞金奪い合いネタバトル ソウドリ~』と『KAT-TUNの食宝ゲッットゥーン』の進行キャスター。そして秋改編で『THE TIME’』の木・金のサブMCを任されるように。
『THE TIME’』は月~水のエンタメキャスターを勤めていた『あさチャン!』の後番組だが、秋改編までは『ひるおび』の月~水と『ゴゴスマ – GO GO! Smile!-』の隔週水曜日に最新ニュースも担当していたので、入社2年目とは思えない番組担当数だった。また、TBSラジオでも『エンタメ満載! ここだけの話』のパーソナリティを務めているほか、期首特番などの不定期番組も多数担当。さらに、『最愛』の最終回でドラマ初出演も果たしている。まさに“売れっ子アナ”なのである。
若手のころからこれだけ多ジャンルの番組を経験するのは、今後に向けてのプラス材料ともいえる。TBSの“将来のエース候補”は今後もますます走り続けていくに違いない。
TBSでもっとも活躍した女子アナは意外な人物
さて、注目の第1位は、入社6年目の日比麻音子(ひび・まおこ)アナ(28)だ。これまでの4人と比べると世間的な知名度は低いかもしれないが、“隠れた実力派”である。
秋改編で『Nスタ』の月・火のニュースプレゼンターを担当し、ロケリポートなどをこなしたかと思えば、『ひるおび!』では金曜日アシスタントを務め、番組内で放送される『JNN NEWS』も担当。バラエティでは『オオカミ少年』のアシスタントMCに、『王様のブランチ』の隔週出演。音楽番組では『CDTV ライブ! ライブ!』の中継リポーターも務めている。加えて『水曜日のダウンタウン』でもロケ企画の進行を随時担当しているほか、定期的に放送される特別番組にも引っ張りだこ。TBSラジオでも『アフター6ジャンクション』の水曜パートナーとして出演。つまり、日比アナは細かい仕事を地道にきちんとこなしているのである。
さらに大きかったのは、東京オリンピックだ。秋の番組改編で終了してしまった朝の情報・報道番組『あさチャン!』でスポーツキャスターを担当。オリンピックの開会式当日から閉幕式翌日までの間は、同番組と並行しながら国立競技場前と国際放送センター内の特設スタジオからTBS系列の競技中継や生放送の関連番組に連日、出演していたのである。
オリンピック・パラリンピック閉幕後の2021年11月28日には、クイーンズ駅伝2021のテレビ中継で第2中継所の実況担当としてスポーツ中継の実況デビューも果たした。TBSの現職の女子アナによるスポーツ中継の実況は史上2人目という快挙でもあった。
眉毛も細くしない、自然な太さのままでナチュラルな美貌が目を引き、可愛い感じの雰囲気が満載だが、アナウンス力も確か。エースとはいわないまでも、完全に“エース級”である。逆に身体のことを考えると仕事量を減らしてもいいのではないだろうか。現に21年12月14日から1週間にわたって体調不良のため、生放送のレギュラー番組を休んでいる。とはいえ、今後も頑張る日比アナの姿が目に浮かぶ。
以上がベスト5の顔ぶれである。5人中3人が入社5年目以内の若手というポイントが注目点だ。かたや惜しくも圏外となったのは、入社7年目で『S☆1』を担当し、局を代表する女性スポーツアナウンサーの上村彩子アナ(29)や、入社6年目で『news23』でフィールドキャスターを務める山本恵里伽アナ(28)、『THE TIME,』の月・火・水・金サブキャスターに抜擢された宇賀神メグアナ(26)などがいる。経験値を積み重ね、まさにバリバリ活躍できる時期に差し掛かっているだけに、彼女たちからも目が離せない。