この世は常に変化している。政治・経済・文化・風俗……ひとつとしてさだまったものはない。
そんな世の中をアウトローに生き抜くことをすすめるのが、『みっともない男にならない生き方』(桜井章一/刊、フォレスト出版/刊)だ。
作者はかつて「代打ち」として20年間にわたって負けなしの無負伝説を作った伝説の雀鬼・桜井章一氏。既成概念に毒された「常識的」な生き方から抜け出したアウトローな人生論を展開している。
■具体的な目標は立てるな
今の世の中、具体的な目標を立てるのが当然という考えかたが蔓延している。
例えば、仕事の業績や売り上げ、個人の業績といったものは数字に落とし込まれ、また、個人の年齢についても、「何歳になったから○○しなければならない」などといった考え方がなされている。
しかし、多くの人が未来に向かって具体的な目標を立てるというのは、「宝くじみたいなもの」だと著者は主張する。
目標を立てることで過去や未来に囚われてしまい、かえって今やるべきことを見失ってしまっては元も子もない。大事なのは「今、目の前にあることをこなすこと」なのだ。
■「仲間」がいれば「友人」なんていらない
著者には「友人」が一人もいないという。その理由は「親友とか友人というものは、互いにとって都合のいい、打算的なもの」だと感じたから。
かわりに著者が大事にしているのは「仲間」。「仲間」という言葉は、「みんなで何かを一緒にやる」というニュアンスをもっている。著者にとっては妻も孫も道場生もみんな「仲間」だという。
「仲間」が「友人」と違う点は、嫌な人間ともみんなといっしょになって付き合うことができるということ。自分とあわない人間を排除するのではなく、集団で付き合うことで、人材の多様性を確保することができるのだ。
いかがだろう。著者のアウトローな生き方は一見非常識で破天荒に思えるかもしれない。しかし、世の中の「当たり前」を疑い、「常識」に縛られない発想をすることこそが、これからの時代を生き抜くコツなのかもしれない。
(新刊JP編集部)
関連記事
・原田芳雄『B級パラダイス』29年ぶりに復刊
・お先真っ暗“パチプロ”の実情
・“雀鬼”と呼ばれた伝説の雀士が語る教育論
・「不安」と「怖れ」が消える3つの言葉
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。