投資や資産運用に熱心な人ほど「○○が儲かる」「○○がこれからいいらしい」といった儲け話に目がありません。特に不動産投資に関しては「今後不動産が値上がりする場所」がたびたび雑誌で特集されるなど、いつの時代も世間の注目度が高いトピックです。
しかし、日本で不動産を購入するのは、ごく一部の限られた人にしかできないことですし、伸び盛りの新興国で不動産ビジネスをするのはハイリスクハイリターンの危ない橋です。リスクと初期費用を抑えつつある程度のリターンが望める場所というのは、やはりそう簡単に見つかるものではありません。
そんな中、『日本人の99%が知らない資産劣化時代に備える資産の増やし方』(ティー・オーエンタテインメント/刊)の著者で、海外不動産の専門家である岩佐直亮さんは、我々の盲点を突いた場所に、「儲かる不動産投資」のチャンスがあるとしています。
■これから儲かる「デトロイトの不動産」
岩佐さんが、「2年以内に買うべき」だと強く推しているのが、アメリカのデトロイトの不動産です。しかし、ご存じの通り、デトロイトと言えばかつては「モーターシティ」として栄えたものの2013年に財政破たんしています。
そんな土地の不動産を買えというのは、いったいどういうことなのでしょうか?
■暴落したままの不動産がありえない価格で手に入る
その理由の一つは不動産価格です。
本書によると、今のデトロイトの不動産価格は、前述の財政破たんの影響で暴落したままになっており、土地つきでレンガ造りの瀟洒な家が、修繕費を入れても300万円台で手に入るといいます。これは日本では考えられないほどの安値です。
そして、注目すべきは不動産価格が下がっているにもかかわらず、賃料はかつての大都市の面影が残り、割高だということ。つまり、安く物件を手に入れて高値で貸すことができるのです。これが、15%~35%という、デトロイト不動産の驚異的な実質利回りの源泉になっています。
■「巨大な廃墟」はウソ? デトロイトの今
ただ、このままデトロイトの荒廃が進んで、ゴーストタウンになってしまうなら、いくら不動産を安く買っても仕方ありません。人のいない街で不動産ビジネスを始めても意味がないからです。
確かに、デトロイトというと「巨大な廃墟」というイメージがついてしまっていますが、これはあまりにも乱暴な話。財政破たんした後も大部分の市民の生活はそれまでと変わりなく続き、一時はスラム化していた街の中心部も復興が進んでいます。こうした実情があるにもかかわらず、イメージだけで値段が下がったままになってしまっているのが今のデトロイトなのです。