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就職するなら大企業かベンチャーか?転職すべきではない人、最後まで逃げ切る方法とは

文=城繁幸/人事コンサルタント
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●タイプ別、キャリア形成のススメ

 これから自身のキャリアを考えたいという人向けに、上記の視点を踏まえた筆者なりのアドバイスをまとめておきましょう。キャリアで区分けすると、だいたい以下の3タイプに分けられるはずです。

1.レールのない世界を生きる覚悟を持ち、目標もすでにあり、そのための準備もしている人

2.自分がどちらの世界に進むべきか、まだわからない人

3.いずれはレールのない世界に進みたいと思っているが、まだ目標が見えていない人

 1番の人については、あらためてアドバイスの必要はないでしょう。どうぞそのまま前進してください。

 とはいえ、日本の教育システムは受験を頂点とする典型的な詰め込み式であり、何に取り組むかという主体性を伸ばすタイプではありません。従って、残念ながら多くの人は2、3番だと思われます。

 そうした人に言いたいのは、とりあえずその目標なり方向性のベクトルが見えてくるまでは、今の職場を安易に動くべきではないということです。同じくレールのある組織に横ずれする分には構いませんが、2つの世界の敷居をまたぐことはおススメしません。

 レールのある世界といっても、自分から積極的に動くことで、十分な成長を引き出すことも可能です。ルーチンワークの比率をなるべく抑えつつ、新たな課題を見つけ出して取り組む、社内公募的な制度を利用して自分からキャリアを積み増すような仕事に手を挙げる……などです。

 逆に、そのように主体性を持って働いていれば、自然と目的のようなものは見えてくるはずで、最も自身が変化していくのが実感できるはずです。動く動かないを決めるのは、それからでも遅くはないでしょう。

 では「最後までレールのある世界で逃げ切りたい」という人は、何もしなくていいのでしょうか? 筆者は、転職などはしなくてもいいけれど、そういうタイプであっても、成長の伸び代を高め、1番に近付く努力はしておくべきだと考えています。

 前項では2つの世界が併存していることについて触れました。ひょっとすると、読者の中には、2つの世界が拮抗する形で今後も共存していくと考えている人もいるかもしれません。しかし現実には、ものすごいスピードでレールのある世界の側が縮小し続けています。

 今から10年くらいたって、突然、勤めている組織が「これからはやる気のある社員だけ抜擢して昇給もさせる。自分から動けない社員はクビだ」と言い始めたら、どうなるでしょうか。泣きわめいても誰も助けてはくれません。筆者の目から見れば、大企業側からはすでに複数の路線転換のシグナルが出されています。好むと好まざるとに関わらず、そのための準備はしておくべきでしょう。
(文=城繁幸/人事コンサルタント)

※本稿は、城繁幸氏のメルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」から抜粋・編集したコンテンツです。

【筆者プロフィール】

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●城 繁幸:人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。
ビジスパにて、メルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」を配信中。
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