帰国子女であったり、留学経験がある人をのぞくと、私たち日本人が必要に迫られて使う英語は、「学校で習った英語」です。しかし、『もしもネイティブが中学英語を教えたら』(アスコム/刊)の著者で、英語講師として長いキャリアを持つデイビッド・セインさんは、日本人が学校で習う英語の中には、実は、ネイティブからするとかなり失礼に思えて、不愉快になるものがあるといいます。
一体どのようなものなのでしょうか。
危険な断り文句「No, let’s not.」
「Let’s have lunch!」と誘われて、「ちょっと今は無理そうだから」と断りたい時、「No, let’s not.」と言っていませんか?
たしかに、Let’s~+動詞の原型(~しましょう)の返事は、Yesなら「Yes, let’s.」を、Noなら「No, let’s not.」と学校では習ったはずです。しかし、実は「No, let’s not.」は、「いいえ、そんなことしませんから(笑)」と、ちょっと相手をバカにした返事に聞こえてしまう表現。相手をイラっとさせてしまう可能性があるので、断る時は、「I’m afraid I can’t.」や「I’m sorry I can’t.」の方が「申し訳なさ」が伝わるのでベターです。
炎上を招く「Thank you for your effort.」
誰かに何かをお願いしたら、かなり時間と手間をかけさせてしまった、ということはありますよね。おかげさまでうまくいって「努力してくれてありがとう」とお礼の気持ちを伝えたい、という時、日本語を直訳して、「Thank you for your effort.」と言ってしまったら、その場が大炎上するかもしれません。
日本語では「努力」はポジティブな意味なのですが、英語のeffortは、「報われない努力」「骨折り」といったネガティブな意味で使われます。ですからこの言い方では、失敗した、というニュアンスが含まれてしまい、相手の報われない努力をいたわっているように受け取られてしまうのです。この場合は、シンプルに「Thank you.」と言った方が無難です。
「Where is my wallet?」で周囲が敵に!
「あれ? 財布が見当たらない!どこに行っちゃったのかな?」
こんな時、「私の財布どこ?」を直訳して「Where is my wallet?」と言ったら、大変なことになります!
場所を聞くなら「Where is …?」を日本人はつい使ってしまいます。でも、私物のありかをこの表現で聞くと、周囲の人の誰かが取ったのではないか、つまり、「あんたたち私の財布、取ったでしょ?どこなのよ?」と疑っているように聞こえてしまうため、ネイティブは絶対に使わないといいます。こんな時には、「Where did my wallet go?」(私の財布、どこ行っちゃったのかな?)と婉曲的な言い回しにして尋ねるのがいいそうです。これなら誰も不愉快な気持ちになりません。
気が付かずに相手を不快にさせてしまったり、怒らせてしまうなんて本当に恐ろしいですよね。
実は、こういった、日本人が特に気をつけたい英語の表現は、まだまだあります。
本書は、日本人の残念な英語や危ない英語を、わかりやすく訂正してくれます。中学英語のやり直しにもオススメですので、チェックしてみてはいかがでしょうか?
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。