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成功者たちの熱いアドバイスは役立たず?スキルなしの普通の人が高収入を得る方法

文=城繁幸/人事コンサルタント
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【職能型キャリアパスのメリット】
・収入が安定している
・一定水準までは、組織に育ててもらえる
大企業や有名企業が多く、肩書でずいぶんトクをする

【職能型キャリアパスのデメリット】
・40歳くらいまでは給料が安い
・飛び級できないので、成長スピードが遅い
・ジョブローテーション(計画的異動)されるリスクがある

【職務型キャリアパスのメリット】
・(本人次第で)大きく稼げる
・(本人次第で)早期に高専門性、マネジメントの職歴が積める
・過去の年功者を支える負担が少ない

【職務型キャリアパスのデメリット】
・(本人次第で)処遇が不安定
・(本人次第で)いつまでたっても下っ端というリスクがある
・20年後は誰にもわからない

 ロールプレイングゲーム(RPG)で考えてみましょう。レベル1でHP(ヒットポイント/体力)も低く、特に取り立ててスキルもないキャラクター(登場人物)をどう育てるべきでしょうか。いくら経験値やアイテムが豊富でも、いきなり高難度ステージに突撃させる人はまずいないでしょう。まずは、安定して育てやすいステージで修業を積ませるのが合理的なのは明らかです。

 とはいえ、そこでのデメリットを全力で回避する必要もあります。いくら成長させてもらえるとはいえ、言われたことをこなすだけでは最低限の人材にしかなれません。常に問題意識を持ち、脱ルーチンワーク化を意識しながら働くべきです。

 また、職能型キャリアパスでは、ともすれば社内価値を高めるための育成をされがちです。ジョブローテーションによるゼネラリスト育成などは、その典型です。極力そうした異動を回避して、社内価値ではなく自らの市場価値を高めておく努力も必要です。

 こうして、ある程度のレベルになりHPやスキルも高まったなら、よりリターンの望める高難度ステージに挑戦するのが合理的でしょう。もちろん高難度ステージにもリスクというデメリットはありますが、きちんと修業を積めていれば、そのリスクよりも得られるリターンのほうが身近なものとなっているはずです。

 まとめると、「社会人になった時点で目標もスキルもない普通の人」が一流のビジネス戦士に育つためには、既存組織の職能型キャリアパスを最大限に活用して成長しつつ、ある程度育った後で高リターンの望める職務型キャリアパスに移るのが合理的です。要は、両方の良いところ取りをしろということです。
(文=城繁幸/人事コンサルタント)

※本稿は、城繁幸氏のメルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」から抜粋・編集したコンテンツです。

【筆者プロフィール】

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●城 繁幸:人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表取締役。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種メディアで発信中。代表作『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』『7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想』等。
ビジスパにて、メルマガ「『サラリーマン・キャリアナビ』★出世と喧嘩の正しい作法」を配信中。
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