最近、お腹がポッコリと出てきた。痩せようと思い立ち、まずはテレビでも観ながらできる腹筋を始めよう。けれど、毎日、腹筋を頑張ってやっているわりにはあまり痩せない。そんな経験をした人は多いのではないだろうか。実は、腹筋運動ではお腹は凹まないという一冊の本がある。
『なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか』(中野ジェームズ修一/著、幻冬舎/刊)は、メンタルとフィジカルの両面の指導ができる、日本では数少ないスポーツトレーナーである中野ジェームズ修一氏が、ダイエットの常識を覆し、最も効率良く内臓脂肪と皮下脂肪を落とす方法を紹介する新書だ。
肥満は脂肪がたまる場所により、「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」の2つのタイプがあると述べる。内臓脂肪型肥満とは文字通り、お腹の内臓の周りに脂肪がたまるタイプの肥満。皮下脂肪型肥満は、皮膚の下にある組織に脂肪がたまるタイプの肥満のことだ。
では、効率良く内臓脂肪と皮下脂肪を落とす有効な手段は何だろうか。
本書によれば、それは全身の大きな筋肉を鍛え、全身の筋肉量を増やし、基礎代謝を上げること。そうすることで有酸素運動時により効率的に多くのエネルギーを消費できる上に、生活においても多くのエネルギーを消費するようになり、根本的に太りにくい体になるというのだ。
お腹を凹ますために腹筋をしても、なぜ効果があまりないのだろうか。そもそも、いくら腹筋を頑張っても腹筋というのはつきにくいもの。
腹筋は内臓を膜状に覆っている薄い筋肉なので、いくら鍛えても筋肉量はさほど増えない。その上、もしついてきたとしても、腹筋運動に有酸素運動としての効果、つまり脂肪を減らす効果はほとんどないと著者は指摘する。
もちろん腹筋運動は連続して行えば、有酸素運動になるが、腹筋筋というごく小さな筋肉のみに重力という負荷を与えて動かすという動作が腹筋であり、たった1つの筋肉のみに負荷をかけ続ければ、すぐに疲労して動かなくなってしまう。
それに比べて、ウォーキングはもも周りや臀部、ふくらはぎなどたくさんの大きな筋肉の動きから成り立っている。腹筋運動とウォーキングのどちらが、より多くの時間、少ない疲労で動かし続けることができるのかは明らかだ。
腹筋も楽な運動ではない上、お腹を凹ます効果は少ない。痩せたいと考えるなら、食事管理や理にかなった運動が必要ということだろう。
憧れの体を手にする上で本書は参考になる一冊だ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。