消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
塩野 しかもこの大半を占める中間層は、今、幸せなんですよ。その理由は、豊かだからですね。バイトで稼いで、ネットサーフィンして100円のカレーを食べていれば生きていける。ですので10年ほど前から比較すると、中間層も含め、起業してくるベンチャー経営者の母数が少なくなった印象です。従ってベンチャー経営者も数が少なくなってしまった。でも絶対量が増えてくれば、そこが新たな日本の成長領域になるはずです。
日本のベンチャー企業は、欧米に比べて不利ではない
――資金面や制度的な面で、日本のベンチャー企業がアメリカや諸外国と比べて不利だという声も聞かれますが、いかがでしょうか?
塩野 決して不利な環境にあるとは思いません。日本の経済規模は世界第3位で十分に大きい。しかも、消費者はきちんとお金を払ってくれて、サービスに対する受け入れ体制は十分にある。だから、日本市場を対象にしたビジネスだけでも十分な規模にはなるのです。スタートアップファイナンス(起業資金)も、最近の日本ではスタートアップ・アクセラレーターが乱立しているので、最初の数百万円程度なら獲得は容易です。ただし、数十億円を出せるプレーヤーはなかなかいないですね。グーグルの検索技術も、小さな実験、小さなモデルだったのを、爆発的にスケール(拡大)すると考えたベンチャーキャピタルが、ぽんと20~30億円を出資したことからスタートしたんです。このような出資は日本にはないですね。
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