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【2】ライブドア証券元副社長、IGPIパートナー塩野誠が語る(1)

もしグーグルが日本で起業していたら成功したか?

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――技術的な側面はどうでしょうか?

塩野 問題ないと思います。今日本のITビジネスの多くは、主流のプラットフォームに依拠してサービスを展開するDJのようなものですから、技術のスキルよりも、組み合わせ方のセンスが重要です。アップルの「Siri」は学術的には完成されたマチュア(成熟した)な技術なのですが、決してめちゃくちゃ精度が高いわけではない。でもエンタメとしてはかわいい。ユーザーの期待値の問題です。AIBOに載せればヒットしたのではないでしょうか。日本は教育水準も高いので技術を取り扱う人材も優秀なのですが、ユーザー側からの発想ができる人がなかなかいないですね。そして日本は、消費者の洗練度もずば抜けて高いので、製品・サービスを実験するにはすごくよい場所です。

――実際に、日本で実験するような企業はあるのでしょうか?

塩野 ダイソンは、日本で売れたら世界中で売れるといって、積極的に日本での販売展開をしてきたそうです。日本が世界の消費の未来を創り出していると評価されている。また、日本語=言語の制約もよく指摘されますが、訳せばいいだけではないでしょうか。大きな問題ではないと思います。だいたい、むやみやたらに海外展開を急ぐ必要もないと思いますよ。アメリカであれば「そのサービスは似てるじゃないか」などと弁護士が殺到してきて、いきなり多くの訴訟を受ける可能性もあるでしょう。そんなリスクを進んでしょい込む必要はありません。それよりも、ベンチャー企業経営者は明日の10万円を稼がなくてはならないのですから。

<目次>
【1】広告費ゼロで会員5万人?ソーシャルランチ人気の秘密
【3】アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」
【4】なぜ“汎用技術”iPodがヒット?にみるベンチャー成功の秘訣

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●塩野誠(しおの・まこと):経営共創基盤(IGPI)パートナー/マネージングディレクター
ゴールドマン・サックス証券を経て、評価サイト会社を起業、戦略系コンサルティング会社のベイン&カンパニーを経た後、ライブドアにてベンチャーキャピタル業務・M&Aを担当し、ライブドア証券取締役副社長に就任。現在はIGPIにて大企業からスタートアップまで、テクノロジーセクターの事業開発、M&Aアドバイザリーに従事。著書に『プロ脳のつくり方』(ダイヤモンド社)がある。慶応義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士。

BusinessJournal編集部

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