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アップルジャパン元代表・山元賢治「Go Global,Go West vol.3」

なぜジョブズはおサイフケータイ不要と見抜けたのか?

文=山元賢治

 例えば、日本の携帯電話には必須の「おサイフケータイ」機能です。私は、直接スティーブ・ジョブズにその必要性を主張しましたが、彼の「まだアメリカでは必要ない機能だ」の一言で却下されたのを今でも覚えています。

 私は営業責任者として、最後まで「おサイフケータイ」機能の必要性を主張していました。それどころか、この機能なしには日本ではiPhoneのビジネスは成功しないと考えていました。ところが、どうでしょうか。売れないどころか、本当にたくさんの日本人がiPhoneを購入して使用してくれています、「おサイフケータイ」機能もないのに。この件だけは、天国のスティーブに謝りたいと今でも思っています。

外国人と起業したらどうか?

 最近、起業に関して質問された時にお話ししていることがあります。起業するのなら、もう日本人だけじゃないほうがよいと思うのです。いろいろな価値観の違う、スキルの違う外国人と一緒に起業したらどうかと思うのです。

 こういう発想にたどり着いたのは、やはりオラクルやアップルという企業で働く機会に恵まれたからだと感じています。アップル製品のハードウェアの意匠設計をしているデザイナーの多くがヨーロッパ人だという環境も、勉強になりました。

 さらに、ソフトウェアの開発においては、完全なグローバル人材の集まりだったと記憶しています。世界中の優秀なエンジニアを採用できるアップルやオラクルは例外だとしても、このような多国籍人のチームが生み出す製品は、グローバルな市場で受け入れられる可能性も高いでしょう。

 言葉の問題も大きいですが、日本企業の大きな問題が、グローバルに販売していく製品設計の発想や、現地でのプロモーションの力だと思います。最近では、起業そのものをアメリカで実施しようとする動きも出てきていますが、まだまだ少数です。やはり、幼児期からの英語の教育も、今後の大きな焦点となるべきでしょうね。

山元賢治

山元賢治

日本IBM、日本オラクルなどを経て、イーエムシージャパン副社長、日本オラクル取締役専務執行役員を歴任。04年、アップルジャパン代表取締役兼米国アップルコンピュータ社バイスプレジデントに就任し、同社退社後の現在は、コミュニカ代表取締役のほか、複数の企業顧問を務めている。

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