ヤマダコーポレーションの骨肉の争い

「豊雄氏は昔かたぎの町工場のオヤジさん。工員たちから信頼されていた。彼らは退職してからもヤマダコーポの株を持ち続けており、豊雄氏から委任状を出してほしいとの連絡があって、『お家の一大事』とばかりに豊雄氏陣営に馳せ参じた。残念ながら村田氏や和正氏には、そんな人望はなかったですね」（業界関係者）

　分家に奪われそうになったヤマダコーポを、本家の豊雄氏が奪還した。しかし、骨肉の争いの影響は小さくない。ポンプ部品加工のワイ・テイ・エスの主力納入先はヤマダコーポで、ヤマダコーポの主力仕入先はワイ・テイ社。両社は製品を通じてガッチリ結ばれている。取引をやめれば共倒れになる。

　新社長になった昌太郎氏は、ワイ・テイ社との関係をどう修復するか。新社長が最初に跳ぶハードルは意外と高いかもしれない。
（文＝編集部）