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【4】サムスンとLGの社員が日本企業凋落への本音を暴露!!

サムスンLG社員「ソニー社員“引き抜き”年収は1億円!?」

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 また、このコラムでは、日本の電子業界が凋落した原因について、韓国の業界関係者がこう分析している。

「円高で価格競争力が落ちたこともそうだが、内需市場に力を注ぐあまり、スマートフォンなどのグローバルトレンドに対応できなかったし、世界最高の企業という慢心が日本の電子産業をダメにした」

 さらにコラムは、韓国政府のパク・チェワン企画財政部長官が今年2月の危機管理対策会議で語った言葉で締めくくられている。

「日本の電子企業が大規模な赤字に転落しているのは、持続的な革新に失敗したからだ。韓国企業も日本の電子企業の失敗を教訓にして、新技術開発などにおいて、持続的な活動を展開してほしい」

 メディアだけではなく、韓国政府が日本の大手電子企業の失敗をテーマに挙げるほど、関心が高いということがよくわかる。

大胆に行われる有能な技術者たちの引き抜き

 さて、ソニー、パナソニックが営業利益を回復させるため、大幅に人員を削減するというニュースも大きく報道されているのだが、その影響からか日本の技術者たちが韓国企業で働いているという話もよく聞くようになった。

 では、どのような形で日本人技術者が引き抜かれるのだろうか。前出のサムスン社員たちは、コンプライアンス上、話せる範囲で答えてくれた。

「引き抜きのほとんどが、ヘッドハンティングによるものと聞いています。その人物の能力だけでなく、実際に会社で即戦力となり、適応できるのかも重要ですからね。調査と人脈で声をかけているようです」

 日本人の職場での評判も気になるところだ。

「サムスンには日本人技術者がたくさんいますが、彼らがソニーやパナソニック出身者なのかはわかりません。ただ、日本人は誠実で、任された仕事は最後まで徹底的に責任を持ってこなすと聞いています。だから評判はいい。でも、創造性が足りないという指摘や、会議やグループミーティングで受動的な部分も見受けられるとも聞きました」

 一方のLGは、「日本人技術者の採用方法も、実際に働いている日本人がいるとも聞いたことがありません」とのことだった。これはごく一部の意見だが、日本の人材の多くは、サムスンへ流れているということになるのかもしれない。

 このヘッドハンティングの実情について、前出の経済ジャーナリストが解説する。

「日本に常駐しているヘッドハンティングの部隊がいて、サムスンの人事担当役員がそこにコンタクトして情報を得ています。部隊は東京、横浜、大阪に各10人くらいいて、彼らが独自に作成したリストをもとに電話をかけるそうです。もしくは、人事役員が直接会ってから交渉に入るケースも少なくないと聞きます」

 日本人技術者の処遇も、役職によって変わるが、取締役なら年収6000万円から1億円と推定されるという。契約期間は3~5年くらいだというが、必要とされて優遇されるのであれば、そこで力を発揮しようと思うのが人間の心理だろう。

 もちろん、現地社員の教育も怠っていない。サムスンでは、優秀な社員が、社内競争によってさらにたくましくなると聞く。その現状を社員に教えてもらったが、中身は驚くべき内容だった。

「サムスンには90年から始まった『地域専門家制度』というのがあります。これまで4000人以上が派遣されました。若手の時に約1年、有給で海外に研修派遣されるのですが、特に仕事はしなくていいんです。何をするかって?現地の人と知り合って人脈を作り、その土地の人が何を考え、必要としているのかを知ることが目的です。現地のスペシャリストになって、その国に合う必要な商品を開発できるものをつかんで帰ってこいということなんです」

 それだけでは飽き足らず、日本にヘッドハンティングの部隊まで送っているのだから、人材力に対する考え方や手段に妥協はないのだ。

 しかし、サムスン、LGがこれからも安泰なのかと言われればそうでもない。取材した韓国の社員たちは一様に、「利益で日本企業は追い越したと思うが、相対的に見た場合、日本は国民所得が高いし、技術レベルも優れている。あぐらをかいてはいられない」と語っていた。

 前出の経済ジャーナリストも「韓国経済には、まだ影が潜んでいる」と慎重だ。

「サムスン、LG、現代など大企業への依存度が高い経済構造で、基礎的な技術も不足しています。日本に比べて中小企業は経営不振で、韓国の製品には日本の技術なしでは作れないものもたくさんあります。そのことを、韓国国民がしっかりと認識すべきだと思いますね。私は、すでに日本と似た現象が韓国でも起き始めており、少子高齢化、就職難などで、大企業の製品開発力が鈍ってくるのを懸念しています。若者の公務員志望増加など安定志向もますますそれに拍車をかけるでしょう」

BusinessJournal編集部

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