働く女性に立ちはだかる現実「責任が大きい仕事は男性に」
(同社HPより)
「2007年にサイトを立ち上げて以来、女性起業家に対する支援を行ってきました。立ち上げから5年経ち、女性のビジネスマンや起業家を取り巻く状況は……なかなか変わらないですね」と、横田氏は苦笑する。
上場企業の役員のうち、女性が占める割合はおよそ1.2%。人数にして社外役員もあわせてわずか500人強であるといわれている。かつてに比べれば、ビジネスシーンで活躍する女性たちは増えてきたが、経営に携わるまでの影響力を持つことは難しい。
「どうしても、企業の中では責任が大きくキャリアが積める仕事は男性に回されがち。その結果、女性にはビジネスの経験値を蓄積するチャンスが減り、男性との格差が広がってしまうんです」(横田氏)
横田氏が関係を持つ女性経営者たちの中には、そんな大企業に嫌気が差して、自ら会社を設立してしまった社長たちも少なくない。
00年代前半、ネット環境が普及したことで、起業に対するハードルは劇的に下がった。そこで注目を集めたのがトレンダーズの経沢香保子氏など20代(当時)の女性経営者たち。彼女たちは、世の多くの女性に「私にも起業できるかも」という希望を与えた。
だが「ある意味『ブーム』といえるような当時の状況は、メディアによって煽られすぎた部分があったことも否めません」と横田氏は言う。
「男性と比較して、女性起業家のほうが、起業年齢が若く資金がないケースが多い。経験も人脈も資金も乏しい女性起業家の廃業率は、男性のおよそ2倍と言われていますが当然の結果ですよね。起業が簡単な世の中になってきましたが、だからこそ、イベントの開催やSNSサイトの運営などによって、女性経営者同士のコミュニケーションを促し、事業の継続に役立てられるような支援を行っているんです」
また、経営に対するマインドも女性起業家と男性起業家には大きな差が見られるという。