儲かり続ける理由』
著:中谷嘉孝
クロスメディアパブリッシング
現代の経営において重要視されているのが「ファン作り」だ。自社の製品や自分の店に愛着を持ってもらい、何度もリピートしてもらう。そのために、企業はあの手この手でファンの獲得を試みる。
しかし、今や消費者も賢くなった。値段はインターネットですぐ比較できてしまうし、不況もあったせいか、安くて良いものを求めるようになっている。では、そんな中で、小さなお店はどのようにお客を集めればいいのだろうか。
『あの小さなお店が儲かり続ける理由』(クロスメディアパブリッシング/刊)では、リピート率90%の人気ヘアサロン店を営み、元サッカー日本代表監督のイピチャ・オシム氏の御用達スタイリストでもある中谷嘉孝氏が、人気店舗をつくり上げるためのノウハウを教えてくれる一冊だ。
そんな本書の中に、これまで使われていたキャッチコピーを恋愛フレーズ風に言い直すとどうなるのか、ということが説明されていたので紹介したい。
ここでピックアップされているのは以下の5つだ。
・老若男女どなたでも。もちろんご家族でのご利用も大歓迎
・お忙しい方のために朝早くから夜遅くまで営業
・すべてのお客様に満足いただけるサービスを目指します
・お客様のあらゆるニーズにお応えします
・宅配や出張サービスも行っています
いずれもどこかで聞いたことがあるフレーズばかりだ。いわば、常識的で模範的なビジネスモデルと言えるだろう。しかし、ちょっと考えてみて欲しい。これらのフレーズを見て、ぼんやりした違和感を覚えないだろうか。確かに並んでいるのは「お客様第一主義」的な言葉ばかり。ただ、どうも第一のように思えなくないだろうか。
中谷氏はこれを恋愛のフレーズに置き換える。
・オレ、タイプは選ばないよ。誰でもいいからデートしてよ
・オレ、ヒマだから一日中待ってるよ
・誰の言うことだって聞いちゃうよ
・あなたが望むなら何でもしますご主人様
・電話くれたらどこにでも会いに行くよ
…なんというか、チャラいというか、自分を安売りしているというか、いろんな印象があると思うが、これが、「お客様第一主義」を表現するキャッチフレーズの正体だ。
確かに、たくさんの人を相手に商売していた時代であれば有効だったのだろう。しかし、ファンを作りお客一人ひとりに価値を提供する時代においては、少しズレを感じてしまう。
本書は小さなお店の経営者向けに書かれてはいるが、もちろん経営に携わる人にも学べるところがあるはず。景気が良くなってきているという話があるとはいえ、まだまだ実感できない人も多いだろう。そんな中で、経営に求められることは、お客一人ひとりと向き合うことではないだろうか。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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