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倒産した“優良”医療法人・誠和会、不正取引発覚で刑事告発か…元理事長へリベート供与も

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現在は医療法人・伯鳳会が運営する白髭橋病院のHPより
 東京スカイツリー眼下にある墨田区の白髭橋病院などを経営する、医療法人社団「誠和会」グループの倒産から約1年が経過した。一見地味な医療法人の破綻としてとらえられたニュースだが、その裏で、あるスキャンダルが囁かれている。


 この倒産によって、医療リース会社などの債権者が悲鳴をあげているが、同時に彼らからは、誠和会グループの元理事長や医療関連会社の統括責任者による“架空リース”という不正行為を告発する声が出ているのだ。

 白髭橋病院といえば、かつては「都内で最も経営が安定している病院」(外資系医療関係者)との評判もあったほど。 同病院は都内でも1、2を争う救急搬送の受け入れ(年約6000件)を行い、ホームレスの患者も拒絶しないという救急病院で、グループ全体で40億円の収入があったといわれる。その誠和会グループが、昨年6月に約49億5500万円の負債を抱えて、倒産。同年7月から、兵庫県の医療法人「伯鳳会」が主要施設の運営を引き継いでいる。

 白髭橋病院の元関係者は、「事の発端は平成18年当時発覚した看護体制の不備。所属する看護師数を水増しすることで、診療報酬を不正に受け取っていたんですが、それが発覚すると数億円の返還を求められた。このことから、資金繰りが悪化していったのだと思います」と語る。

 一方、ある医療リース会社のM代表は「資金繰り悪化後、誠和会のI元理事長は資金捻出のために、誠和会の関係会社で取引先でもあった医療機器卸業者の『グランド・メディカルシステム』の統括責任者S氏が企てた“架空リースでの資金づくり”に乗り、私腹を肥やしたことで倒産に追い込まれたんです」と告発する。

「手口は、S氏と関わりの深いメーカーから、グランド・メディカルとして商品購入を偽装し、その商品を復数のリース会社に販売。約10億円の資金を調達していたというもの。架空リースで得た資金のほとんどが、滞っていたグランド・メディカルの支払いに回されたんですが、3億円ほどの現金が使途不明のまま消えたんです」(同)

 その使途不明金の一部は、I元理事長に対するリベートとなり、残りはS氏が個人的に使用したといわれている。このS氏の散財ぶりが凄まじい。

「フィリピンパブで豪遊し、知り合った女性と交際していた。パブの女性に入れ込むだけではなく、フィリピンの豪邸に住んで、現地の女性たちにマンションや車を与えていたことも確認されています」(前出のリース会社代表)

 こうした不正に満ちた経営の中で誠和会は倒産。その後、架空リースといった不正が関係者からの告発で明らかになったが、破産管財人は聞く耳を持たず、債権者は泣き寝入りの状態が続いている。それどころか、これらの不正に加担した誠和会の幹部であるK氏は、茨城県立こころの医療センター事務局長に収まっているというから、開いた口が塞がらない。前出のM代表は「他の被害者のためにも泣き寝入りせずに、3人を刑事告訴して、真相を明らかにします」と言う。

 スカイツリーの麓で起きた、医療法人をめぐるスキャンダル。今後大きな事件へと発展するかもしれない。
(文=本多圭)