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なぜドコモファミリーは消滅?国内携帯メーカーの苦境と、パナ-ソフトバンクの蜜月

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「NTTドコモ HP」より
 NTT(旧電々公社)時代には電々ファミリーと呼ばれ、今はドコモファミリーと呼ばれる企業群が、軒並み地盤沈下している。電々ファミリーの代表選手はNEC、富士通、沖電気工業(OKI)だったが、例えば富士通は2013年3月期決算で729億円の最終赤字で、リストラの真っただ中。OKIも青息吐息で配当ゼロが続く。


 電々ファミリーの序列は、通信機器の納入実績で決まっていた。ドコモファミリーに時代が移ると、携帯端末が主役になったが、その主力企業であったNECは、スマートフォン(スマホ)事業から撤退する。NTTドコモによるソニーと韓国サムスン電子の「ツートップ」戦略で、NECの携帯端末の販売が急減し、スマホ事業からの撤退に追い込まれた格好となった。同社の携帯端末はピーク時の01年には国内シェアは30%近くあったが、12年度には5%まで落ちた。パナソニックもドコモファミリーの一員だが、今冬以降、スマホのドコモへの提供を中止する方向だ。

「ガラケー」(ガラパゴス携帯の略。国際的には通用しない日本だけの独自規格をドコモが推進してきた)と呼ばれる従来型の携帯だけだった頃は、端末の型番の頭文字が「N」のNECと「P」のパナソニックが国内シェアの首位を争ってきた。蜜月関係にあったドコモから求められるスペックの端末を黙ってつくっていれば、それで売れた。だが、ドコモ依存が裏目に出て、NEC、パナソニックともスマホの波に乗り遅れ、富士通も同様である。

●ツートップ戦略の内実

 ドコモのツートップ戦略の販売結果は、次の通りだ。5月半ばから6月末までの間にソニー製の「エクスペリアA」が83万台、サムスン製の「ギャラクシーS4」の販売が40万台に達した。同時期、シャープと富士通は7万台、パナソニックとNECは1万~1万5000台にとどまり、圧倒的な差がついたわけだ。12年度のシェアはNECカシオが8位(5.3%)、パナソニックは7位(6.9%)に後退し、負け組の評価が定着してしまった。

 だが、ソニーとサムスンのスマホに乗り換えたのは、多くがドコモのユーザー。大半が従来の携帯電話からの買い替えだった。アップルのiPhoneを扱うライバル2社への顧客の流出は止まらなかった。iPhone対策という面から見ると、ツートップ戦略は失敗だったという見方が強い。

 NECがスマホから撤退すると、国内メーカーでスマホを手掛けるのはソニー、富士通(富士通+東芝が10年に統合)、シャープ、パナソニック、京セラ(08年に三洋電機の携帯事業を買収)の5グループになる。パナソニックもドコモ向けのスマホはつくらないため半ば撤退で、そうなると4グループということになるが、パナソニックは折りたたみ式の従来の携帯電話は引き続き供給する。

 実はパナソニックは、ドコモを見限ってソフトバンクに急接近中なのだ。スプリントの大型買収で米国市場に携帯の足場を築いたソフトバンクとの関係強化し、米国市場にスマホを売り込む。

 かつては10社を超える国内メーカーがしのぎを削ってきたのが嘘のようだ。ちなみに三菱電機は08年に携帯事業から撤退したが、今では先見の明があったと高く評価されている。
(文=編集部)