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わずか3.8%の年収1000万、なぜ不幸になる?見え消費の罠、不安定で過酷な労働環境…

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年収1000万円にのしかかる重圧(「Thinkstock」より)
「AERA」(朝日新聞出版/4月7日号)は『年収1千万円の研究』という特集を組んでいる。「『年収1千万円』。その金額が連想させる何かが、人をひきつける。転職や結婚という人生の節目で、意識するベンチマーク。実際の1千万円プレーヤーは、どんな人生を送っているのか」という内容だ。

 大手結婚相談所では、女性から最も人気のある男性の条件は、収入額カテゴリーの最高ランクである「700万円以上」。別の結婚相談所でも最もモテるのは「30過ぎで年収1千万円、安定した職業」の男性たちだ。「年収1千万円はワンランク上の生活ができる額のイメージ」なのだという。「親が教育費をかけ、自分も努力して勉強した。子どもにも同じレベルの生活と教育を受けさせたいし、海外旅行もしたい、だからもっと稼ぎたい」と、自ら1千万円を稼ぐことを目標に据える女性も少なくない。

 しかし、実際の1千万円プレーヤーたちの声を聞くと、不満が渦巻いている。転職サイトのアンケートでは年収に満足している人は51%と、約半分にとどまる。その多くは外資系企業で、職場環境の苛酷さに「いまの仕事なら1200万円以上は欲しい」(食品メーカー・46歳)、「体がもたない。残業も多く、休みもなく、正直しんどいです」(経営コンサルタント・44歳)と嘆いている。

「1千万円レベルの年収は、業績連動制や歩合制でかなり不安定だったり、年俸制で退職金や手当を含まない給与体系だったりする。つまり生涯年収はそこまで高くならない可能性がある。転職や再就職で同じレベルの職を見つけるのも苦労します」(転職コンサルタント)

●年収1000万円は不幸を呼ぶ?

 一方、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/5月3・10日合併号)は『年収1000万円の不幸』という特集を組んでいる。「いつかは突破したい大台であり、ステータスも高い年収1000万円。しかし、達成した後に広がる世界は、バラ色ではなかった。一度はまると抜け出せない見え消費のアリ地獄に際限のない教育費、その上、増税では最も割を食う。そして、職場では首切りにおびえながら働く……。不幸な年収1000万円の実像と本音に迫った」という内容だ。

 年収1000万円の人は、大きく次の7タイプに分けられる。

・商社、メディアタイプ…高年収だが、際限のない交際費の持ち出しに離婚率も高い。
・医師、弁護士タイプ…安定したステータスがあるが、競争激化で落ちこぼれも続出。
・都心共働き…夫婦力を合わせて高収入を実現する近年急増中の形態。
・地方公務員…若者たちの間で人気沸騰中。夫婦で公務員は最強。
・新興IT系…若いうちから高収入を得られるも、ビジネスの賞味期限は非常に短い。
・地方企業経営者…東京よりコストがかからず、地方経済の担い手にして地元の雄。
・企業役員…会社員の最高到達点だが、任期中のリスクを避ける責任回避姿勢が目立つ。

「年収1000万円は不幸になる」といわれるのは、国が税金や社会保障の負担対象を年収1000万円に設定したことによるところが大きい。年収1000万円のサラリーマンが手にする実質可処分所得は、税制改正(給与所得控除の上限)や手当(児童手当、高校無償化)の見直しにより年々減り続け、2011年からの5年間で60万円減になるという試算もある。