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イオン、食品スーパー統合でセブン&アイとの全面対決が幕開け 業界再編の引き金か

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イオンの店舗(「Wikipedia」より/Sanjo)
 流通2強であるイオンセブン&アイ・ホールディングスの全面対決が本格化の兆しを見せ始めた。

 イオンは資本参加している食品スーパー3社の経営を2015年3月に統合すると発表。子会社のマックスバリュ関東と、首都圏を地盤とするマルエツとカスミが、新たに設立する持ち株会社の傘下に入る。新会社は20年をメドに売り上げ1兆円、1000店舗を目指す。イオンは「首都圏食品スーパー連合」を掲げており、セブン&アイ対策に動いた。流通業界内では、これが食品スーパー連合(イオン)vs. セブン&アイの全面対決の幕開けになるとみられており、イオンは傘下のコンビニ、ミ二ストップではセブン&アイのセブン-イレブンと勝負にならないため、食品スーパー連合総がかりでセブン&アイに対抗する。

 イオンの食品スーパー事業は全国に20社近い子会社を抱え、13年度の売り上げは1兆5000億円を超えている。北海道や九州では食品売り上げで高いシェアを持つが、首都圏ではセブン&アイの牙城を崩せずにいる。5月19日の会見でイオンの岡田元也社長は、「変化に対応して主導権を取る。新しい便利さの競い合いを勝ち抜きたい」と語った。

 マルエツ、カスミはイオンのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の販売を強化するほか、マックスバリュ関東を含む3社は首都圏向けの独自PB商品の開発を進める。統合後の規模は単純合算で店舗数が470店、売上高は5870億円となり、食品スーパーの最大手、ライフコーポレーションを抜いてトップに躍り出る。

 イオンは、13年春にJ.フロント リテイリング傘下の食品スーパー、ピーコックストア(現イオンマーケット)を買収。その後、都市部に店舗が多いダイエーを連結子会社にしたが、期待通りの戦力になっているとは言い難く、テコ入れを急いでいる。また、首都圏で展開する小型食品スーパー「まいばすけっと」は500店舗体制となり、13年度には営業黒字に転換しており、今後3年間で1000店規模に倍増させる。このほか、関東が営業地盤のイオン系の食品スーパーとしては、いなげやとベルクがある。

 マルエツの大株主としてはイオンのほかに丸紅もおり、丸紅は新持ち株会社に30%出資して経営に関与する。実はその丸紅は、イオン系食品スーパーと競合する東武ストアにも資本参加している。東武ストアは民間鉄道8社が手掛けるPB商品を扱っているが、大株主である東武鉄道は東武ストアの株式を27.2%しか持っておらず、丸紅の31.0%を下回る(13年8月末時点)。よって、いずれイオン連合に統合されることになるとの見方が強い。

●ユニー獲得をめぐる動き

 そして、イオンとセブン&アイの戦いが本格化する中、コンビニ業界で苦戦が続くサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスの取得を両社が狙っているという観測も高まっている。ユニーを獲得すれば愛知と北陸を押さえることができるため、今回のスーパー3社統合により首都圏をイオンに攻められることになったセブン&アイが、ユニーを狙っているとの情報が流れており、事実であればイオンもユニー取得に乗り出してくるからだ。

 流通2強の全面対決が、スーパー業界再編の引き金となるのか、にわかに業界内がざわつき始めてきた。
(文=編集部)