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アイフル、見えない経営危機からの出口 消えない巨額残債と高利負担、くすぶる買収観測

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アイフル店舗の看板(「Wikipedia」より/A.S.since1992)
 経営再建中の消費者金融大手、アイフルは6月13日、金融支援の継続で債権者団と合意したと発表した。7月10日現在での残債1617億円のうち、約800億円を三井住友信託銀行など金融機関からの借り換えと、約300億円を社債発行による債務との交換で返済、残り527億円は5年間の返済猶予を受ける。過払い金返還請求の急増を引き金に経営危機に陥ったアイフルが、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)に追い込まれて5年。7月10日の債務返済期限間際の金融支援継続決定だった。

 しかし一難去ってまた一難。これで安心して経営再建を進められる状態ではない。財務基盤は依然として不安定で、他社による買収観測も絶えることがない。

 アイフルは強引な営業活動や「ヤミ金並み」と言われる悪質な取り立てが違法だとして社会問題になり、05年4月に「アイフル被害対策全国会議」が結成された。また、06年4月には財務省近畿財務局長から全店舗の業務停止命令を受けた。
 
 これらの影響で業績が急低下し、10年3月期連結決算は3000億円近い最終赤字に転落するなど、経営悪化が一気に表面化した。

 その結果、アイフルは09年9月18日に産業活力再生特別措置法所定のADRを利用した経営再建方針を発表。同月24日にADR認証団体の事業再生実務家協会にADRを受理され、同年12月24日、資金調達先の金融機関約60社との間でADRが成立した。具体的には、金融機関からの借入金合計2721億円のうち、760億円を5年内に分割返済、残り1961億円を5年間の返済猶予の計画でアイフルは経営再建に入った。

 そしてADR成立後は、相次ぐリストラを行い、14年3月期は全店舗数を703店、社員数を1310人にまで削減している。これは最盛時の06年3月期と比べると、店舗数を約26%、社員数を13%まで縮小したかたちになる。このほかにも、「投資用有価証券や閉鎖した店舗など、売れる資産は片っ端から売り払った」(アイフル関係者)という。

●暗い、残債完済の見通し

 こうしたリストラによる営業経費の削減で返済資金を捻出し、計画を上回る返済を行ってきた。それでも今年7月10日の債務返済期限には1617億円の残債が確実となり、再び金融機関に返済猶予を申し入れざるを得なかった。

 かくして、実質2回目のADRが成立したわけだが、それでもアイフルの経営再建に不安感が強いのは、同社が独立系であることだ。どこの大手金融機関グループにも属していない同社は、経営再建の資金調達がままならず、顧客から回収した利息と元金を原資に、営業貸付と過払い金返還を辛うじて賄っている状態。新たに5年の猶予を与えられたとはいえ、残債完済の見通しは極めて暗い。

 その最大要因が、経営危機の引き金となった過払い金返還だ。過払い金返還額は毎年300億円超の高止まりで推移している。業界関係者は「過払い返金額は毎年ADR返済計画を上回っている。このため、表沙汰にならない程度の強引な取立ては相変わらずの噂もある」と口を濁す。