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なぜ自動車ユーザーの負担増相次ぐ?ガソリン料金高止まりの理由と、高速道路実質値上げ

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「Thinkstock」より
 自動車ユーザーにとっては大きな負担増となるガソリン価格の高止まりが続いている。資源エネルギー庁が発表した7月14日時点でのレギュラーガソリンの1リットル当たり全国平均の店頭価格は、オイルショック前の2008年9月以来、5年10カ月ぶりの高値を付けた前の週(7月7日時点:169.7円)よりもさらに0.2円高い169.9円。値上がりは12週連続で、3月末(3月24日時点:159.0円)からの値上げ幅は約3カ月間で10円以上も上昇したことになる。ちなみにハイオクガソリンは180.7円、軽油は147.6円だった。

 都道府県別では、値上がりは29府県、横ばいは8道府県、値下がりは10都県。最も高かったのは鹿児島県(176.9円)で、以下、長崎県(175.0円)、長野県(173.8円)と続いた。

 ガソリン価格の上昇が続いている背景には大きく分けて2つの要因がある。1つは、4月以降の“ダブル増税”の直撃である。1リットル当たりの暫定税率分(25.1円)を含めた揮発油税(53.8円)や原油関税(0.215円)は据え置きながらも、消費税率が5%から8%へ上昇したのに加え、石油石炭税(2.04円)が地球温暖化対策税の上乗せ分(0.25円)が増税された。その増税分が価格にも転嫁されたことが響いた。

●ガソリン料金の高止まりは当分続く見通し

 もう1つの要因は、イスラム過激派組織の侵攻によるイラク情勢の急速な悪化を受け、原油価格の上昇傾向が続いていることが大きい。中でも日本などアジア地域での指標となるドバイ原油は1バレル=110ドルを上回るなど、6月に入ってから約1カ月で5ドルも値上がり、約9カ月ぶりの高値圏で推移している。このため、JX日鉱日石エネルギーや出光興産などの石油元売り各社は石油製品の卸価格を引き上げており、それがガソリンスタンドなどでの店頭価格にも波及している。

 また、石油元売り各社が相次いでガソリン価格の卸価格の算出方法を、原油相場の動きをリアルタイムに反映しやすい新しい方式に変更したことも影響している。一般的にガソリンの卸価格は原油価格の動向や業者間の取引価格をベースにした「指標価格」に、タンカー輸送やタンクローリーによる配送などの「物流費」、それに「販管費」を合算して決定する。ガソリンは差別化がつきにくい商品であり、これまでは国内市場の動向を反映させるため、業者間で取引されるガソリンの価格を重視してきた。元売り各社が備蓄在庫として抱えるガソリンを薄利多売で流通させるケースも多く、指標価格を下落させる要因ともなっていた。

 ところが、元売り各社は本業の稼ぎを示す営業利益が減少して、経営を圧迫することになれば「中長期的な安定供給に支障を与えかねない」と強調。すでにコスモ石油、昭和シェル石油に次いで、6月にはJX日鉱日石エネルギーなどもガソリンの卸価格を原油相場の調達コストを正しく反映させた計算方式に見直している。それがガソリンの店頭価格の上昇要因にもつながっており、従来は原油の輸入調達コストは店頭価格の4割程度だったのが、原油価格の高騰が続く場合は6割以上を占めることにもなる。

 原油動向に詳しいエネルギー専門家の中には「イラク情勢の不安要素が加わったことで、この先の原油価格は1バレル=120〜130ドルの高止まりが続く」との予測もある。今後もガソリンの店頭価格の上昇が見込まれるだけに、夏休みを控えて帰省や行楽地へのドライブ旅行を計画している自動車ユーザーにとっては、大きな負担増となりそうだ。