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狩りガール、密かにブーム?ジビエブームと密接に関係?狩猟技術継承の切り札として期待

文=千葉雄樹/A4studio
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●「狩りガール」が鳥獣被害を減らす?

 では、女性のハンターが増えることで、いったいどのような効果が期待できるのだろうか?

「年々、ハンターの高齢化が進み、ハンターの数も減少傾向にあります。ハンターになるだけなら運転免許を取得するのと同レベルの試験で終わるのですが、狩猟の技術は一朝一夕では身につきません。狩猟の師匠について山に入り、獲物の見分け方を教えてもらったり、安全な狩猟の手法を手とり足とり教えてもらわなければならないのです。その師匠となるハンターが高齢化によって減ってきている上に、技術を受け継ぐ人も少なくなっているのです。若い世代に技術を受け継いでいただきたいと考えておりまして、まずはキッカケとして女性にアプローチしているのです」(同)

 近年、鹿や猪などの野生鳥獣による農林水産被害が深刻化しており、農林水産省の発表によると、全国の野生鳥獣による農作物被害額は年間229億円にも上る。ただハンターが増えれば鳥獣被害が減るという単純な話でもない。実際に狩猟免許を取得しても、10年近く獲物を仕留められないハンターもいるという。将来的なことを考えても、少しでも早く若手に狩猟への興味を持ってもらい、獲物を仕留める技術をベテランハンターから受け継いでいくことが重要なのだ。

 また、ここ数年でジビエ(獣肉)料理を提供する飲食店が増えており、都内でも気軽にジビエを味わうことができるようになったのも狩猟に興味を持つ女性が増えた一つの要因かもしれない。実際に「目指せ! 狩りガール」の主人公の女性は、都内にあるエゾシカ料理の専門店に通っているうちに、「このお肉がどうやって来たのか? 獲るところを見てみたい」と感じたことから、ハンターへの道を歩み始めた。「ジビエブーム」と「狩りガール」には密接な関係があるのではないだろうか。

 狩猟は命に向き合う神聖な行為であるとして、安易にブームとしたり「狩りガール」をもてはやすことに反対する意見もあるようだが、狩猟に興味を持つ女性が農作物の鳥獣被害を抑制する一翼を担う存在となる可能性もありそうだ。この「狩りガール」が一過性のブームで終わらないことを願うばかりである。
(文=千葉雄樹/A4studio)

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