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物流崩壊の危機?経済全体に大打撃も 深刻なドライバー不足、救世主に浮上の貨物列車

文=小川裕夫/フリーランスライター
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JR貨物では荷物を積み込むコンテナの大型化も進めて、現在は31フィートコンテナが主流になっています。31フィートコンテナ1台は10トントラックに相当する積載量です。また、コンテナ化によって荷物を積み替える手間や時間が短縮されるようになりました。こうした時間短縮効果も、鉄道貨物が見直されるポイントだと思います」(JR貨物)

 かねてより、JR貨物はIT化にも取り組んでいた。GPSとICタグにより荷物を集中管理できるシステムを構築し、輸送の合理化・迅速化を達成した。

 メーカーや小売業者にも、トラックドライバー不足は深刻に受け止められている。イオングループは14年にイオン鉄道輸送研究会を発足させ、国土交通省やJR貨物と連携。自らが音頭を取って、ネスレ日本・アサヒビール・花王といったメーカーと共同で鉄道貨物の運行を始めた。貨物列車を共同で運行することによって、輸送効率が高まるだけではなく、輸送費の低減化も図った。

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 モーダルシフトは確実に広まりつつあるが、他方でクリアしなければならない問題も残っている。先にも触れたように、国鉄時代は全国隅々まで線路が行き渡っていたものの、民営化後のJRは次々に赤字路線を廃止したことが、鉄道貨物輸送にとって大きなハンディキャップになっているのだ。

 近年は新幹線が開業すると在来線は第3セクターに移管される。第3セクターに移管された路線に対して、JR貨物が支払う使用料は以前よりも高くなる。それは鉄道貨物の輸送費となって、荷主に跳ね返る。せっかく大量輸送で低コスト化を図っているのに、これでは鉄道貨物のメリットを生かせない。

 15年3月には北陸新幹線が金沢駅まで開業し、並行在来線はしなの鉄道(長野県)・えちごトキめき鉄道(新潟県)・あいの風とやま鉄道(富山県)・IRいしかわ鉄道(石川県)に分離する。それらも鉄道貨物に影響があるのではないかと心配されている。

「現状、線路使用料が高くなることは決まっていません。また、ダイヤ改正で鉄道貨物が使いづらくなるような懸念もありません」(JR貨物)

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