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日本は南アや中国より下位、世界年金ランキングで 支給開始を70歳へ引き上げ不可避か

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マーサージャパン「2014年度グローバル年金指数ランキング」
 年金支給額の伸びを物価や賃金などの上昇より低く抑える「マクロ経済スライド」が、4月から適用される。本来であれば昨年の賃金上昇分2.3%が支給額に上乗せされるべきだが、スライド調整率0.9%分が差し引かれ、デフレ時のもらいすぎ分(0.5%)も削られる。よって、年金支給額の伸びは0.9%となり、物価上昇率を考えれば手取りは目減り(実質的引き下げ)することになる。多くのマスメディアでは昨年から「高齢者いじめ」のようにたびたび報じられてきたが、果たしてそれほど単純な問題なのだろうか。

 まず、マクロ経済スライドとはそもそも何か。衆議院議員・河野太郎氏のブログにある説明がわかりやすいので、以下に引用させてもらう。

「あなたが会長をしている自治会が、公民館で炊き出しをやることになりました。大きな釜でご飯を炊いて、おむすびを握ります。そして自治会のメンバーを全員、年齢順に並んでもらって大きなおむすびを二つずつ配っていきます。しばらくして、あなたはふと心配になりました。釜の中のご飯が思ったよりもずいぶん早くなくなっていきます。このままでは行列の最後までおむすびを配ることはできません。あなたは配るおむすびを一つずつにしようかと思いましたが、行列の最初のほうの人たちがおむすびを二つもらっていたのをみんなが見ています。そこであなたは配るおむすびの大きさを少しずつ小さくしていこうと思いました。おむすびを握っている自治会の役員さんたちに、おむすびを少しずつ小さくしてくださいと頼みました。これでお釜のご飯はなんとか行列の最後までもつでしょうか。このおむすびを小さくするのが『マクロ経済スライド』というやつです」(2014年11月5日付河野太郎ブログ『ごまめの歯ぎしり』)

 マクロ経済スライドは04年、年金財政を維持するために小泉純一郎政権下で決まった政策だ。もっと早くから発動されることになっていたものの、デフレ経済では発動されないことになっていたので、仕組みはあっても発動されず、今年が初めてということになる。

 そもそも政府は、何年も前からおむすびが大きすぎることに気づいていたのに、おむすびを小さくしてこなかった。そのため、お釜の中のご飯はすっかり減ってしまった。高齢者の反感を恐れた国会議員(特に政権与党だった自民党)の不作為が原因なのである。しかし、遅まきながらでも「おむすびを小さくする」ことをやらなければ、行列の後ろのほうまでおむすびを配ることはできないだろう。おむすびを小さくしなければ、「若者いじめ」になるし、すでに現時点でも十分現役世代いじめになっていると誰もが思っている。

●低い所得代替率


 日本の年金制度の欠陥は、外国の年金制度と比べると一層際立ってくる。組織・人事分野専門のコンサルティング会社マーサージャパンは昨年、「2014年度グローバル年金指数ランキング」を発表した(冒頭の図を参照)。同ランキングは世界各国の年金制度を指数化して比較したもので、日本の年金制度は25カ国中23位と惨憺たる状況だ。