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Surface 3徹底解剖から透ける、覇者マイクロソフトの豹変 「ネット以前」からの脱皮

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Surface 3(「マイクロソフト HP」より)
 3月31日、パソコンに関連する2つのニュースが飛び込んできた。

 1つは米マイクロソフトによるWindowsタブレットの新モデル「Surface 3」の発表である。「シリーズ史上最薄/最軽量」を掲げる同商品は、499ドル(約6万円)からと低価格だ。日本マイクロソフトのウェブサイトには、本国でのプレスリリースの抄訳が掲載されている。

 そしてもう1つは、パソコン雑誌「週刊アスキー」(アスキー・メディアワークス)の完全インターネット/デジタル化に関する発表である。同誌は5月26日発売号にて刊行を停止、6月よりネット版に完全移行するという。

 日本のIT業界の潮流を長く見てきた人は、この2つのニュースが同時に発表されたことを感慨深く受け止めるのではないだろうか。

 マイクロソフトとアスキー・メディアワークスといえば、1980~90年代にかけて、日本のパーソナルコンピューティングシーンをリードしてきた2大巨頭ともいえる存在である。

 マイクロソフトはMS-DOSからWindows、そしてOfficeへと、インストールベースのOSと事務アプリケーションのシェアを押さえ、ソフトウェア分野の覇者となった。

 一方、現在でこそアスキー・メディアワークスはKADOKAWAの系列であるが、前身のアスキーは当時の社長、西和彦氏率いる「ベンチャー企業の星」ともいえる存在であった。西氏はマイクロソフト社長のビル・ゲイツ氏と非常に親しく、アスキー社長就任前には、マイクロソフトの極東担当副社長を務めていたこともある。アスキーは出版業が主力であり、当時同社が発行した「月刊アスキー」は、パーソナルコンピューティング雑誌の中で圧倒的な存在感を放っていた。

「月刊アスキー」は、今でいうところの結婚情報誌「ゼクシィ」(リクルート)や大手ファッション雑誌と同じぐらい分厚い雑誌だった。広告が非常に多く、物理的な存在感・手に持った時の重量感もゼクシィと同じと考えてよいだろう。つまり、それほど圧倒的な知名度や影響力があったといえる。

 このようにマイクロソフトとアスキーは、片やソフトウェア、片やPC雑誌という分野で覇権を握っていた。インストールベースのソフトウェアと出版という、両者に共通するものは「ネット以前」という文化だった。

ネット普及によるマイクロソフトとアスキー・メディアワークスの変化

 その両者が時を同じくして、ネットという大海を前に1つの決断をしたのが先の発表なのだ。

 まずSurface 3は、タブレットでありながら液晶カバー兼キーボードである「Type Cover」というアクセサリと組み合わせれば、ノートPCのようにも使える、いわゆる「2-in-1」デバイスである。画面サイズは10.8インチ、重量622グラムと、持ち運びにも便利なサイズだ。