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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

大学が学生を過保護にすると、ダメにしてしまう?「考える力」を考える

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授
大学が学生を過保護にすると、ダメにしてしまう?「考える力」を考えるの画像1「Thinkstock」より

毎年の新入生合宿

 少子化による競争激化のあおりを受け、今や大学による学生へのサービスはかなり手厚くなっています。例えば、新入生歓迎会として新入生全員が1泊2日で合宿する行事が行われています。

 もちろん、同級生の友達づくりなど、さまざまな良い面もあるものの、こういう場を大学側が用意することによって、結果として学生の主体性や創造性が削がれないかと危惧する部分もあります。それに関連して、多くの大学で実施されているキャリアセンター(就職課)における履歴書の書き方や自己PR指導なども、学生の短期的利益につながる場合もあるかもしれませんが長期的には疑問です。行き過ぎた指導は、結果的に学生のためにならないのではないでしょうか。大きくいえば、日本の将来に対してマイナスになるとも感じています。

 ただ、この新入生合宿の運営は有志の先輩学生によって運営されており、教員は完全にノータッチ、ただ監督者として同伴するだけです。何百人もの学生を動かすには大変な準備が必要となるわけですが、そうしたことを強制することなく、先輩学生が率先して「新入生のために」と主体的に取り組んでいる点は文句なく素晴らしいと感じています。

大学が学生を過保護にすると、ダメにしてしまう?「考える力」を考えるの画像2『「高く売る」戦略』(大崎孝徳/同文舘出版)

新しい飲料を創造せよ!

 今年の合宿の夜ゼミでは、「新しい飲料を創造せよ!」というお題が出され、グループワークで4P(商品/Product、価格/Price、流通/Place、プロモーション/Promotion)を検討し、その後、プレゼンが行われました。

 ちなみに、筆者が担当した4グループが提案したのは、以下のとおりでした。

「最後の粒まで簡単に飲める粒粒コーンスープ」
「丸ごとブルーベリーがたくさん入ったヨーグルトジュース」
「7色のジュースが混ざったレインボージュース」
「野菜プラス炭酸ジュース」

 運営サイドである先輩学生から、「これらを評価し、1位を決定してほしい」との過酷な任務を与えられた筆者は困り果て、使い終わった容器の用途などを一生懸命にPRしていた粒粒コーンスープに決めました。

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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