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「ココロに効く(かもしれない)本読みガイド」山本一郎・中川淳一郎・漆原直行

ここまで論外なトンデモ本は、さすがにちょっとマズイんじゃないですかね?

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福島第一原子力発電所(「Wikipedia」より/HJ Mitchell)
【今回取り上げる書籍】
『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』(広瀬隆/ダイヤモンド社)

 山本一郎です。元気ですか?

 もう足掛け5年以上ご一緒させていただいている月刊誌「MONOQLO」(晋遊舎)に、1ページの書評を連載させていただいているわけなのですが、先日8月売り号用に書いた記事がボツりまして。

 理由は、「先方の版元や著者、読者に影響が大きい内容なのに対し、内容をしっかりと確認させていただきたいのですが、時間が入稿ギリギリの中、編集部として裏とり、推敲等をしっかりと行う時間が持てず、編集長のほうから、今回は見送りという指示を受け」たそうです。いやー、ダイヤモンド社のことですから、両論併記で「バーカ」「おまえこそバーカ」という内容でも盛り上がってきちんと売れて議論として成立していれば問題ないんじゃないかと思いますけどね。

 そんなわけで、以下本編。良ければ月刊「MONOQLO」も買ってね(はーと)。

 ヤバイ、ヤバいよこれはヤバイ。全体的にガセネタ含有で、こんなインチキ本が出ていいんだろうかと思うぐらいに正直ヤバいよ、これはヤバイ。もしも私が福島県の関係者であるなら早々に風評被害で回収を求める署名運動でもやろうかというぐらいに、超クソな本ですわ、これは。

 というわけで、広瀬さんの『東京が壊滅する日』ですが、よくこんなインチキを書き綴れるなあと感心するほどひどい内容なんですけれども、フォローできる点があるとするならば広瀬さんの考え方、姿勢でしょうか。

 確かに東京電力福島第一原発の問題についていうならば、政府や東電の情報開示のあり方はとても擁護できるものではありませんので、重大事故であり国民の安全や資産にかかわる部分に欺瞞や隠蔽があったとされるのであれば襟を正して再発のないようにするべきだ、という意見はまったく首肯するものであります。

事実関係の確認できないものだらけ


 ところが、現象面において筆致が進むにつれ、事実関係の確認できないもの、すでに問題が解決され放射線量が下がっているもの、そもそもまったく放射線量の上昇がなく影響が視認できないものが、さも現在進行形で問題であるかのように語られておるわけです。

 「米ネバダ核実験や、チェルノブイリでも『事故後5年』から癌患者が急増」という煽り文句からして、そもそも福島の事故とはまったく無関係で規模も深刻度も異なる問題を横に並べて、5年後から福島周辺200kmでも癌患者が激増する前提で警告していて、さすがにちょっと問題じゃないかと思うんですよね。

 線量上がってないのに、なぜ癌患者が増えるんですかね。

 また、5年という根拠もないですね。去年も福島県での出生については遺伝子異常のある子供が増えたという事実はどこにもありません。