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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

花王アジエンス、大ヒットの秘密はヘルシア緑茶や柔軟剤のノウハウ活用?革新的な開発体制

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アジエンス(「花王 HP」)より
「イノベーション力の高い企業」と聞いて、どのような企業が思い浮かぶでしょうか。

 今なら、やはり米アップル、一昔前ならソニーといったところでしょうか。

 筆者は、花王に注目しています。洗剤の量を4分の1にまで減らした世界初のコンパクト洗剤「アタック」、日本家庭の定番商品ともいえるフロア用掃除用具「クイックルワイパー」、脂肪を消費しやすくするという機能により、特定保健用食品の指定を受けた「ヘルシア緑茶」など、花王からは今まで市場になく、ユニークで高い機能的価値を持つ革新的な商品が次々と開発されています。

 マーケティングを専攻している筆者は、ついつい消費者ニーズに目が行きがちですが、もちろん、そうしたニーズに応える、もしくはこうした消費者の顕在化したニーズをはるかに上回る革新的な商品を生み出すための企業における技術シーズ(種)は重要な要素です。

 単に消費者の求めに応じて商品を開発するというスタイルは、異なる視点から捉えると、他社も容易に製品化できる場合が多いものの、消費者ニーズへの注目と自社独自の技術シーズにより完成した商品ならば模倣困難性も高く、長きにわたり市場で大きな影響力を保持することも可能になります。

いかにして社内に山のようにある技術シーズを有効活用するか

『「高く売る」戦略』(大崎孝徳/同文舘出版)
 実際、大企業には多くの技術シーズがあると思われますが、そもそも自社にどのような技術シーズがあるのかさえ把握できず、よって当然のことながら、うまく商品化に活用できていない例は山のようにあるのではないでしょうか。

 また、マーケティングの視点でいえば、顧客志向というのは極めて重要なことです。よって、例えば顧客が商品の性能には十分に満足しているものの、サイズが大きいと感じていれば、そうした改良を行うのは当然のことですが、エンジニアにとっては、商品を小型化させる研究よりも、性能を飛躍的に向上させるような研究に精力を傾けたいというのが常ではないでしょうか。

 つまり、顧客志向と相反するケースが往々にして生じるということです。顧客ニーズにマッチした革新的な商品を次々に市場に投入している花王はもちろん研究開発自体に優れた点も多々あるのでしょうが、筆者はとりわけマネジメント力に注目しています。