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“崖っぷち”ヤマダ電機に戦略はあるのか? 有名企業48社の2015年のビジネス戦略を振り返る!

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※画像:『間違いだらけのビジネス戦略』著:山田修/クロスメディア・パブリッシング

 2015年も、有名企業のニュースはおおいにビジネスシーンを賑わせた。だが、良いニュースがある一方で、悪いニュースの方が目立っていたかもしれない。

 企業の業績が落ち込んでいくのは、経営陣の戦略が間違っているからに他ならない。たとえ名門企業といえども、ひとたび戦略を誤るとたちまち崖っぷちに陥ると、『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディア・パブリッシング/刊)の著者・山田修氏は言う。自らも、業績が悪化した企業の社長を歴任し、企業再生経営者と呼ばれた山田氏は、戦略的視座に立ち、有名企業48社の戦略を分析している。

 山田氏が分析した会社のなかには、山田氏が予見したとおりの道筋をたどる企業も少なくない。そんな山田氏の分析事例を紹介しよう。

■沈みゆくヤマダ電機、突然の大量店舗閉鎖の暴走? 復活はおそらく難しいと言える理由

 2015年5月、ヤマダ電機は46店舗の閉鎖に踏み切った。しかし、それよりも早い2014年末に山田氏は、この結果が見えていたかのようにヤマダ電機が限界を迎えていることを指摘していた。

 家電の大型量販店舗を展開するヤマダ電機は、自社店舗で間に合わなければ、業界他社をM&Aして「マーケット・カバレッジの再優先」という戦略を徹底した。その結果、当時ヤマダ電機は全国に1,016店舗を展開する規模になった。

 しかし、日本にある「市」の数は790。人口5万人以上となると541にすぎない。ヤマダ電機の1店舗当たりの平均年商は19億円程度だが、人口3万人規模の市に1万世帯が生活しているとしたら、1世帯あたり年間19万円程度消費している計算が成り立つ。

 一口に言ってしまえば、市の大部分の世帯がヤマダ電機で年に19万円ほどのお買い物をしている、ということになる。IT関連製品も含む電化製品を年間19万円程度も買う顧客層に、今以上に売るにはどうすればよいのか。つまり、この成長の限界が、ヤマダ電機が直面する問題だ。

 2011年3月期に2兆1,500億円とピークを迎えた業績は、2015年3月期には1兆6,643億円と、ピーク時の77%。

 実店舗の巨艦主義に走ったメガ・リテール(大規模小売業)が破綻した事例は多い。百貨店では「そごう」、総合スーパーでは「ダイエー」、アメリカでも全米最大の百貨店チェーン「シアーズ・ローバック」、家電量販店の「ラジオジャック」が経営破綻の憂き目にあっているという。

 ヤマダ電機の社長である山田昇氏は、2015年5月に「出店余地はなく、ビジネスモデルを変えないといけない」と言っている。ただ、ダウントレンドに入ってしまった業界トップ企業が復活するのは、率直に言って難しい。変化する環境に戸惑いながら徐々に体力を奪われ、足を止めてしまうのではないか。創業者の山田昇氏が社長に復活して2年。崖っぷちのヤマダ電機の巻き返しはあるのか?

 本書ではこうした事例が豊富に取りそろえられており、今話題の企業の分析が詳しく書かれている。2016年も良いニュース、悪いニュースがあるだろう。それを見通す上でも一読しておくとよいだろう。
(新刊JP編集部)

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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。