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椎名民生「不動産ビジネス最前線」

不動産流通を歪めて不当なマージンを貪る仲介業者が跋扈!悪しき慣習が常態化

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賃貸住宅情報サイト「ウチコミ!」

 不動産仲介業界には悪弊がある。

 たとえば、売却物件の場合、「両手取引」と「囲い込み」と呼ばれる手法がある。その手口は、売り主から物件を預かると、全業者の物件情報が集まるレインズ(不動産流通機構)に登録するが、一般広告には出さずに放置する。その一方で、売り主には「これでは高くて売れませんよ。もっと価格を下げないといけません」と脅して、大幅値下げを承諾させるのだ。すると格安物件となるため、預かった業者はレインズ登録業者の営業網を使わなくても買い主を容易に見つけられる。

 こうして、この業者は売り主からの手数料3%と、買い主からの手数料3%を両得できる。これが両手取引だ。このとき、レインズを見たほかの不動産仲介業者から「客がいる」と問い合わせがきても、「商談中だから案内できない」と嘘をついて排除する。これが囲い込みだ。売り主は、預かった業者がダブルで手数料を稼ぐために、不当に安く売らされる羽目になる。

 こうした悪弊を打破しようとする試みが行われ始めている。そのひとつが、ソニー不動産とYahoo! JAPANが共同で運営する、個人で物件を売り出せる不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」だ。インターネット上で物件を登録し、いつでも、自分の好きな価格で売り出すことが可能だ。大手不動産業界団体は「不動産情報サイトの中立性を損ねる」として反発。Yahoo! JAPANへの情報提供の取りやめを示唆している。

 こうした悪弊の数々を著書『不動産屋は笑顔のウラで何を考えているのか?』(幻冬舎)で暴露した大友健右氏は、次のように語る。

「たとえば、不動産会社が売却物件を預かった場合、アメリカではオーナーの希望通りに売る責任が生じますが、日本では物件を通して儲ける権利が生じるのです。相談するオーナーの味方ではなく、業界の味方あるいは自己利益優先だから、まともな相談ができません。しかも、住宅流通の現場では不動産会社がいないと流通しないため、そのような構図になってしまっているのです」

 大友氏は、このような業界の悪弊を打破するため、昨年11月に売り主・買い主共に手数料ゼロという画期的な不動産売買サイト「ウチコミ!売買レボ」を開始した。「売買レボ」は現状、投資物件だけだが、すでにマッチングが成立しているという。