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ケータイ、「つながりにくさ」解消へ…ドコモ、フルLTE化で国内最速の通信開始

文=佐野正弘/ITライター
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ケータイ、「つながりにくさ」解消へ…ドコモ、フルLTE化で国内最速の通信開始の画像1ドコモは6月より、800MHz帯のフルLTE化によって、理論値で国内最速の下り最大375Mbpsを実現するとしている

 NTTドコモは3月2日、6月より同社の高速通信サービス「PREMIUM 4G」で、理論値で下り最大375Mbpsの通信速度を実現するとともに、3.5GHz帯を用いたサービスの提供も開始することを発表した。LTEネットワークが全国に広まったことで不満が減少しているなかにありながら、キャリアが一層の高速化を進めるのはなぜなのだろうか。

ドコモが下り最大375Mbpsの通信速度を実現

 理論値で下り100Mbps、実測値でも数十Mbpsを超える通信速度を実現するなど、充実度が非常に高い日本の携帯電話ネットワーク。そのネットワークを、さらに高速化しようという動きが進められている。それを象徴しているのが、ドコモが3月2日に発表したPREMIUM 4Gの強化策だ。

 このサービスは昨年3月より提供を開始した、LTE-Advanced方式を用いた高速通信サービス。当初は、2つの周波数帯を束ねることで高速化するキャリアアグリゲーション(CA)という技術を用いることで、理論値で下り最大225Mbpsという通信速度を実現していたが、現在ではさらに3つの周波数帯を束ねたCA(3CC CA)によって、国内最速となる下り最大300Mbpsの通信速度を実現している。

 もっとも最近では、理論値による最大速度と実際の速度にギャップがあることから、総務省がガイドラインを定め、各社が同じ条件の下で測定した、より現実に即した実効速度を公開するようになった。だがここでも、ドコモは下りの中央値が71Mbps(最大値228Mbps)、上りの中央値が21Mbps(最大値40Mbps)と、主要3キャリアの中でもっとも速い速度を実現しているのだ。

 そしてドコモは6月より、PREMIUM 4Gの速度をさらにアップさせるための新しい施策を2つ打ち出している。1つは、現在所有する周波数帯のうち、LTEと3Gとで併用している800MHz帯をLTE専用にする“フルLTE化”を実施し、3CC CAによって理論値で下り最大375Mbpsの通信速度を実現するというものだ。

 具体的には、2GHz帯(下り最大112.5Mbps)、1.7GHz帯(下り最大150Mbps)、そして800MHz帯(フルLTE化で下り最大112.5Mbps)の組み合わせで実現する。それゆえ、この速度が実現できるのは1.7GHz帯が利用できる東名阪エリアのみとなり、ほかの地域では2GHz帯、1.5GHz帯(下り最大112.5Mbps)、800MHz帯の組み合わせで337.5Mbpsとなるようだ。

 なお800MHz帯は、特に地方において山間部などを広くカバーするのに用いられている帯域でもあり、そうした地域で強制的にフルLTE化を進めてしまうと、該当地域の3G携帯電話ユーザーが使えなくなってしまうことにもなる。そうしたことからドコモでは、800MHz帯を一斉にフルLTE化するのではなく、利用が集中して混雑が激しい都市部を主体に、トラフィック状況を見ながら少しずつフルLTE化を進めていく方針のようだ。

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