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中国鉄鋼、異次元の大量安売りで日本勢を破壊…利益爆減で赤字寸前、巨額損出

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新日本製鐵本社がある「丸の内パークビルディング」(「Wikipedia」より/Kakidai)

 鉄鋼最大手の新日鐵住金が業界再編に動いた。2017年3月をメドに国内高炉4位の日新製鋼を買収して子会社にする。

 新日鐵住金は日新製鋼に8.3%出資する筆頭株主だが、600~800億円を投じて出資比率を51~66%に高める。日新製鋼は、新日鐵住金の子会社になった後も上場を維持する。

中国は鉄を“爆売り”

 鉄鋼再編の震源地は中国である。世界の鉄鋼業界は、中国の過剰生産に伴う安値での輸出攻勢でどん底に叩き落された。1月22日、北京で開催された国務院常務会議において、中国は粗鋼生産能力を1~1.5億トン削減することを決めた。

 世界鉄鋼協会がまとめた15年の世界粗鋼生産量は、前年比2.8%減の16億2280万トンとなり、6年ぶりに前年実績を下回った。中国は8億383万トンで、3年連続で生産量が8億トンを上回った。ピークは14年の8億2275万トンで、13年は8億2200万トンだった。世界生産の半分を占める中国に次ぐ世界2位の日本が1億515万トンだったことからも、中国の数字の大きさがわかる。中国が生産する粗鋼のうち、3億トン以上は過剰といわれている。

 中国の景気減速に伴い、鉄の需要が急減したため、中国政府は1~1.5億トンの生産設備削減を決めた。これは、日本の粗鋼生産分に相当する量だ。林立した中国の鉄鋼メーカーが過剰生産した鉄を大量にダンピング輸出し、鉄鋼の国際価格の下落を招いた。爆買いならぬ「爆売り」が、世界の鉄鋼業界を危機的状況に陥れた。

中国の“爆売り”が製鉄各社の決算を直撃

 新日鐵住金は12年に国内最大手の新日本製鐵と3位の住友金属工業が合併して発足した。自動車用鋼板をはじめ鉄鋼製品全般を手掛ける。15年3月期の粗鋼生産量は4732万トンで、世界第2位である。

 新日鐵住金の16年3月期連結決算は、鋼材価格の下落の影響を受け輸出採算が悪化。売上高は前期比11.4%減の4兆9700万円、純利益は34.7%減の1400億円の見込みだ。17年3月期も市況の回復が見込めず、苦戦は避けられない。

 日新製鋼は12年にステンレス大手の日本金属工業と合併。ステンレス材や建設用鋼板、自動車部品用の特殊鋼に強い。15年3月期の粗鋼生産量は398万トンで国内第4位。

 日新製鋼の16年3月期連結決算の売上高は11.1%減の5490億円、純利益は94.1%減の大幅減益で10億円の見込み。赤字転落寸前にまで落ち込んだ。17年3月期も厳しい。