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金なし、開発たった7人…期待ゼロだった「モンスト」、なぜ驚異的ヒット?

構成=大谷弦/清談社
金なし、開発たった7人…期待ゼロだった「モンスト」、なぜ驚異的ヒット?の画像1ゲームプロデューサーの岡本吉起氏

 コナミ(現・コナミホールディングス)、カプコンと渡り歩き、ゲームソフト開発会社のゲームリパブリックを設立した、ゲームプロデューサーの岡本吉起氏。4月2日付当サイト記事『大ヒット「モンスト」生みの親、借金2ケタ億円でゲーム業界から消えていた過去とドン底人生』では、会社が破綻し、数十億の負債を抱えて心身ともにドン底に落ちたところまでをお伝えした。

 しかし、岡本氏はその“潜伏期間中”にミクシィと手を組んで「モンスターストライク」を開発、世界的にもトップクラスの売り上げを叩き出す。「モンスト」のコンセプトや運営ノウハウ、そして現在のソーシャルゲーム業界に至るまで、岡本氏の話は続く。

まったく違うソシャゲの世界、理解するのに3年

–会社が破綻し、一時は「行方不明」とまで言われていました。

岡本吉起氏(以下、岡本) ある会社に所属はしていたのですが、気力もなく、仕事はほとんどしていませんでした。「394」という携帯アプリゲームの開発会社で、手伝いをずっとやらせてもらっていたぐらいですね。

 アーケードゲーム(ゲームセンターなどに設置されるゲーム)、コンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)と経験し、その後にビッグウェーブの来た携帯アプリのソーシャルゲームの研究と勉強をやっていました。

–ソーシャルゲームというのは、それまでのゲーム開発とは違うものでしたか?

岡本 全然違いました。理解するのに、3年はかかりましたね。その頃は、「コンシューマーゲームの人間は、ソーシャルゲームでは絶対にヒット作をつくれない」と言われていたのです。

 実際、ソーシャルゲームの人たちに「俺たちは、ゲームをつくっているんじゃない。金を生むシステムをつくっているんだ」と言われたこともあります。やっぱり、寂しかったですよ。

 それで、「ソーシャルの素人に教えてやるよ」という感じで、いろいろと教えてくれるので、その通りにやるのですが、やっぱり腹落ちしないところが多くて。悶々としながら、2年間ほどやっていて、「もう我慢できないな」と思っていた頃に「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)がリリースされたんです。

 それを見ると、僕が腹落ちすることをやっているんですよ。ただ、ソーシャルの先輩方に教えられたことも、80%以上は正しかった。それで、「違う」と思ったところは直して、勝負に出ようと「モンスト」をつくったんです。

–「パズドラ」の時点で、すでにソーシャル業界はプレイヤーが固まっていて、「もう食い込めないのでは」というムードはありませんでしたか?

岡本 僕は、まったく思わなかったです。「今、まさに始まった」と思っていましたから。ゲーム業界って、最初はみんなインベーダーゲームのコピーから始まっているじゃないですか。

 その後にアレンジの時代があって、「ギャラクシアン」(ナムコ)や「パックマン」(同)のような新しいゲームが生まれてきた。それが、ソーシャルでは「パズドラ」だったわけで、僕にとっては、その時に文明開化の音が聞こえたんです。「ここでなら、僕らも活躍できるかも」と思いました。

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