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金なし、開発たった7人…期待ゼロだった「モンスト」、なぜ驚異的ヒット?

構成=大谷弦/清談社

「モンスト」はミクシィだからこそ成功した!

–そのあたりの運営ノウハウは、どうやって得ていたのですか?

岡本 ミクシィはサーバも強かったし、木村がソーシャルのマーケティングに長けていたんだと思います。とにかく、僕らの開発チームがやることは、自分たちのアプリを信じることと失敗を恐れないことでした。

–「モンスト」は、ミクシィだからこそ成功したのでしょうか?

岡本 それは、そうでしょう。ミクシィじゃなければ、成功していないですよ。「モンスト」は、友達と仲良くやるゲームで、不特定多数とやるものではありません。友達レベルでコミュニケーションするというのは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のmixiの流れをくむものであり、「本当の知り合いだから楽しいんだよ」という部分があると思います。

–「モンスト」と「パズドラ」は、対象とするユーザーのイメージは違うものなのでしょうか。

岡本 重なっていると思います。やっぱり、「パズドラ」のユーザーも取り込まなくては、1位は取れないですから。「パズドラ」は7000億円の市場の中で、2000億円を売り上げています。だから、多少なりともチャンピオンに強いパンチを入れ続けないと、トップを奪うことはできません。僕たちは、少なくとも日本チャンピオン、あわよくば世界チャンピオンを狙っているので、常に攻めていかないといけないのです。

–「コンシューマーゲームの市場を食っている」という意識はありますか?

岡本 それはよく言われますが、僕は絶対に食っていないと思います。コンシューマーのユーザーは、簡単にお金を出しません。僕が「食ってるな」と思うのは、パチンコ市場です。一回に何万円もお金を出すユーザーを抱えているのは、パチンコだけですよ。

 ソーシャルゲームのユーザーは、もともとパチンコのお客さんだったと思います。だから、僕らも、そこを意識して食いにいっています。グイグイ食い込んでいるので。パチンコ業界は相当苦しいと思いますよ。

「モンスト」のヒットで、年収はカプコン時代の数十倍!

–ソーシャルゲームは、課金システムが問題視されることも増えていますが。

岡本 僕は課金に関しては「必ずしも必要ではない」というスタンスです。強制したこともなければ、無課金では遊べないゲームをつくったこともない。時々、ガチャ(ゲーム内の課金システム)を回さないといけないようになっていますが、それも、ちゃんと遊んでいれば課金ガチャが無料になるように運営しています。ただ、無課金では大変なところもたくさんあり、課金すれば楽になるようにはつくっていますが。

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