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異常に多すぎる銀行の店舗と人員、容赦なき「削減の嵐」の予兆

文=編集部
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異常に多すぎる銀行の店舗と人員、容赦なき「削減の嵐」の予兆の画像1ふくおかフィナンシャルグループ本社ビル(「Wikipedia」より/ぱちょぴ)

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)が長崎県首位の十八銀行を傘下に収めたことで、九州地方銀行の勢力バランスが大きく変わる。

 すでにFFGの完全子会社となっている長崎県2位の親和銀行と、十八銀行が2018年4月をめどに合併する発表ことがされており、そうなれば長崎県内の融資シェアが7割を超える“寡占銀行”が誕生することになる。現在、両行合計で150店舗あり「50支店くらい統廃合する方向で検討する」(十八銀行の森拓二郎頭取)としているが、公正取引委員会がどう判断するか注目される。

 FFGは「ハードルは高いが、地域金融システムの安定などを考えると、必ず(公取に)承認してもらえる」(柴戸隆成社長)と自信を見せる。「政府系やノンバンクなども合計した値を分母として(関係当局と)協議する」としており、これをベースにすると預金、融資残とも約5割のシェアになる。それでも全国で県内シェアが最も高いといわれている茨城県・常陽銀行の45%を大きく上回る。現在の3分の1の店舗がなくなれば、必要な人員も減る。地銀の再編は人員削減を伴う新たなステージに入ったと見ていいだろう。

 十八銀行の参加でFFGの立場は一段と強固なものになるのは間違いない。九州で2番手争いをしている西日本シティ銀行は、15年10月に持ち株会社を設立。証券子会社を含めた総合金融グループづくりに力を入れる。もちろん、周辺地銀の受け皿となるための布石である。

 十八銀行は佐賀銀行、筑邦銀行と同じ勘定系システムを利用し、プログラム開発を共同で行ってきた。3行の中で最大の十八銀行がFFG入りしたことで、佐賀県首位の佐賀銀行がどう動くのかに関心が集まっている。福岡、長崎のFFGに挟まれた佐賀銀行はFFGと手を結ぶのか。それとも肥後銀行や鹿児島銀行を擁する九州フィナンシャルグループ(FG)の陣営に加わるのかといった選択を迫られることになる。

 福岡の第二地銀、福岡中央銀行は、歴代頭取をFFG盟主の福岡銀行出身者が務めている。そのため、福岡中央銀行はFFG入りするのが自然な流れといえる。

 宮崎銀行は、九州FGの鹿児島銀行と県境を越えて、相手の営業テリトリーで融資を伸ばすなど競合関係にあったが、15年6月に宮崎銀行の頭取が小池光一氏から平野亘也氏に交代したのを機に、協調路線へと変化の兆しが見えてきた。そのため宮崎銀行は九州FGと組む可能性が高いとみられている。

 そうなると、西日本シティ銀行は九州地区に残っている第二地銀を陣営に組み込むことになるだろう。

BusinessJournal編集部

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