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セブン&アイ、経営混乱で危機的状態…独裁者・鈴木会長失脚で露呈した「異常な体質」

文=編集部

 鈴木氏は「今までは(創業家と)良好な関係にあった。ここにきて急に変わった。以前は私が提案したことを拒否されたことはなかった。世代が変わった。抽象的な言い方だが、それで(伊藤氏との確執を)判断してもらいたい」と述べたが、公明正大な記者会見とはいえなかった。

「鈴木氏の超ワンマン体制の弊害が、退任会見で露呈した」(業界筋)

 今回の人事案が通らなかった理由について鈴木氏は、「最高益を続けている社長を辞めさせるのは、世間の常識が許さない」と無念さを滲ませて、言葉を絞り出した。会見後、鈴木氏は「仕方がないこと」と語ったが、「常識が許さない」横車を押そうとしたことが浮き彫りになった。鈴木氏の求心力の低下を身をもって知らされた末の引退劇は、起こるべくして起こったということになる。

 鈴木氏の老残を際立たせた記者会見だったが、一方の当事者、井阪氏は4月8日未明、鈴木氏の退任について「大変尊敬できる先輩であり、残念だ。(自分は)社長としての職責を全うしていきたい」と記者団に語った。

消えない火種

 記者会見で新たな経営体制について聞かれた鈴木氏は、次のように応えた。

「私が指名することはない。会社の人事案は否決されたが、井阪氏が信任されたわけではない。引退を発表した私はあすから来ないという無責任なことはできないが、新体制に立候補するつもりはない」

 しかし、カリスマ経営者と他の幹部・社員の関係のなかで、鈴木氏のやり方を否定するような提案が出てくるのか。セブン&アイHD関係者は語る。

「鈴木氏は退任を表明したが、5月末の株主総会まで(立ち位置は)まったく変わらない。強権を発動し続けるだろう」

「鈴木氏は会長からは退くが、取締役として残り、影響力を保持し続けるのではないのか」との指摘が社内から出ており、鈴木氏に取り巻くイエスマンの役員たちは、会社が未曾有の危機なのにまったく動こうとしない。会長職を廃止する案も浮上している。

 株主総会までに、米投資会社サード・ポイントがさらに圧力を強めることになるのか。創業家の伊藤氏が“ポスト鈴木”の人事にどのような考えを持っているのかも徐々に明らかになってくるだろう。伊藤家への大政奉還があるのかが最大の焦点となる。

BusinessJournal編集部

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