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電通の変貌、なぜ脱「伝統的広告代理店」加速?広告とコンサル、垣根消失&相互侵食で競争

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電通本社(「Wikipedia」より/Wiiii)
 企業の消費者に対するプロモーションのあり方は、今後劇的に変化していく可能性がある。


 たとえば、我々が街を歩いている。画像認識技術の進化により、センサーが我々をユニークなIDとして認識する。我々の普段の行動、興味関心は、スマートフォン(スマホ)のGPSにより、またはインターネットの検索履歴により蓄積されているが、それがビッグデータとなり、我々のバックグラウンドとなっている。

 そうすると、IDとビッグデータを紐づけて、AI(人工知能)が我々の潜在ニーズまでも察知し、リアルタイムにレコメンド(推薦)できるようになる。そして、街じゅういたるところにある3Dデジタルサイネージが、我々にOne to Oneプロモーションをかけてくる。まるで、映画『マトリックス』の世界のようだが、近い将来、消費者に対するプロモーションは劇的に変化していく可能性があるわけだ。

 このようなプロモーションは、伝統的なマーケティング手法、市場をセグメンテーションし、ターゲット顧客を定め、ライバルとのポジショニングを考え、マーケティングミックスを考える、という手法とはまったく違う手法である。

 ビッグデータを蓄積し、データサイエンティストまたはAIがそれを解析し、プロモーションをかける。ビッグデータを蓄積するため、GPS情報を入手し、消費者の購買意思決定プロセスを把握できるようにするために、ECでの購買へ消費者を誘導する。マーケティング部門のみならず、システム部門、営業部門との連携が必要になる。もはや広告宣伝部長だけではマネージしきれない。部門横断的な経営会議マターになる。

侵食し合う、外資系コンサル会社と伝統的広告代理店


 このような背景のもと、アクセンチュアやIBM、PwCといった外資系コンサルティング会社が、デジタルマーケティング領域に今、進出を加速してきている。

 デジタルマーケティング領域の代理店市場の売上を見ていくと、米国では2014年には、1位がIBM、2位がデロイト、3位がアクセンチュア、5位がワンダーマン、6位がオグルビーとなっており、伝統的な広告代理店の売上を、外資系コンサルティング会社のデジタルマーケティング部門が凌駕している。