日本人は、英語を「勉強する」という感覚からなかなか脱することができません。それは学校で習った英語のスタイルや、受験英語の影響があると考えられます。
そもそも日本の学校教育では、英語のコミュニケーションスキルを高めることを重視せず、ほとんどの授業は学生と教師との講義形式で進められるのが一般的。つまり、授業の中で英語を使う練習をする機会がほとんどないのです。
さらに、英語の授業の大部分が日本語で行われているため、実際に英語に接する時間は少ないということもあります。これでは、英語でコミュニケーションがとれるようになるのは難しいですよね。
■なぜ英語ネイティブではないフィリピン人は英語を流ちょうに話せるの?
では、他の国の状況はどうでしょうか?
例えば、フィリピン。最近、英語の勉強のためにフィリピンに語学留学をする日本人が増えています。また、オンライン英会話講師として登録しているフィリピン人がたくさんいます。
でも、実はフィリピンは英語ネイティブの国ではないんです。しかし、フィリピン人は英語を話せます。しかも、海外経験がなくても英語を流暢に話す人が多いといいます。
では、どうやってフィリピン人は英語を身につけているのでしょうか?
フィリピン人は英語を「勉強」してはいません。日々の身近な生活の中で使いながら、英語を身につけているといいます。
フィリピンの街中には、英語の交通標識や、看板、広告などがあふれ、学校以外で英語に触れる機会がたくさんあります。つまり、日常生活に英語が馴染んでいるのです。そのため、フィリピンの人たちは、学校では習わないような普段使いの表現も日々の生活で学んでいます。
自然に英語を学べる環境があることが、マスターするために大事。私たちも「勉強している感」をとにかくなくすことが重要です。
そのための方法をいくつか紹介しましょう。
(1)外国人の友人を作る
趣味のサークルやおけいこ事などで外国人の友人を作って、英語でコミュニケーションするのが、英会話上達の一番の近道です。とはいえ、これは実際、難しいでしょう。
(2)街中で英語を発見する
駅や電車の電光掲示板や注意書き、観光地の看板やパンフレット、ホテルの館内案内など、日本国内でも英語で表記されているものが実はたくさんあります。
日本語と共に書かれていたり、比較的シンプルな英語が使われていて、内容が容易に推測できるものがほとんどなので、カンタンに英語がチェックできます。しかし、使われている英語が間違っていることもあるので、注意が必要です。
(3)映画で学ぶ
なるべく自分のペースで、好きなときに、正しい英語をマスターしたいという方には、映画がおすすめです。楽しみながら、自然な英語に接することができる上、英語のセリフがそのまま会話に応用できます。
例えば、『ローマの休日』は、主役のオードリー・ヘップバーンの英語が美しく聞き取りやすいので、特におすすめです。初心者向けに『「ローマの休日」を観るだけで英語の基本が身につくDVDブック』(アスコム刊)のように、映画の中のセリフの英語をひとつひとつわかりやすく解説した本も発売されているので、参考にしてみてもいいでしょう。
語学学習は楽しく、自然体でやっていくことが習得の近道。フィリピン人のように、とにかく英語を学校の授業以外のやり方でマスターすべく、できるところからスタートしてみてはいかがでしょうか?
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。