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ワーナーミュージックのリストラ、元社員が不当解雇訴え提訴…交渉中に突然解雇

文=編集部、協力=森惇一/弁護士法人ALG&Associates弁護士

「2度目に渡された書類は、表面に『個人情報開示許諾書』と記載されていました。にもかかわらず、裏面には『再就職支援申込書』と、これまでの説明とはまったく違う一文が書かれていました」

 この「個人情報開示許諾書」表面をみると、8日前に一旦回収された「出向先開拓支援申込書」の個人情報記入欄にあった「ご退職(予定)日」欄が消え、下部には「(再就職支援会社宛に)上記希望者の出向先支援サービスを申込みます」という記述と共に、ワーナーの社名と会社印捺印欄がある。

 そして裏面には、「当社へご提出いただきます『再就職支援申込書』にご記入の個人情報は、再就職支援に係る一連の業務範囲内で利用させていただきます」と書かれている。当然ながら再就職支援に申し込むということは、退職の意思を示すことを意味する。もしA氏がこの記述に疑問を持たないままに署名すれば、書面上はA氏が退職の意思を示して再就職支援を申し込むかたちになる。

 ワーナー側が、それまでA氏に「出向先支援」へ申し込むように説明する一方、「再就職支援」に申し込む書面に同意させようとしていたことが読み取れる。

 こうしたワーナーの対応を受け、A氏は労働組合の東京管理職ユニオンに加入し、昨年12月からワーナーと団体交渉を開始。しかし、まだ交渉が継続していたさなかの今年7月22日、ワーナーは「売上不振」を理由として突然A氏に解雇を通知した。

不当労働行為にあたる可能性

 今後、A氏は一連の問題について、ワーナー側に地位確認と賃金支払いを求める訴訟を準備中というが、一連のワーナーの行為について、弁護士法人ALG&Associatesの森惇一弁護士は、次のように解説する。

「ワーナーが売上不振を理由として突然行った解雇(このような解雇を「整理解雇」といいます)は無効である可能性があるほか、労働基準法20条の定める解雇予告義務に違反する可能性があります。また、労働組合員であったA氏を解雇したことについては、労働組合法7条1号の定める不当労働行為にあたる可能性があります。

 まず、ワーナーの行った整理解雇が無効である場合ですが、A氏は解雇を通知された後もワーナーの従業員の地位にあったことになりますので、ワーナーは解雇通知後の賃金についても支払わなければなりません。また、解雇後の賃金に加えて、未払賃金額と同額の付加金や不当解雇を理由とする慰謝料の支払いを裁判所から命じられるおそれもあります。

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