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中国からの海外企業撤退が本格始動…中国企業、「メイド・イン・チャイナ」確立に失敗

文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授
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 バブルが崩壊すると、過剰な設備(生産能力)、ヒト、債務のリストラというバブルの後始末が欠かせない。本来であれば、中国政府は国営、民営にかかわらずゾンビ企業のリストラ、規制緩和を通した産業育成などの構造改革を進め、需給バランスの調整を進めるべきだ。そうした取り組みは失業増加などの痛みを伴う。痛みを和らげるためには、財政政策や金融政策の使い方が重要だ。

 表向き、中国政府は改革を重視している。しかし実態は、国有企業の経営統合による過剰な生産能力の輸出だ。他方、収益が悪化した企業のデフォルトも相次いでいる。中国は収益の悪化した企業を強制的にデフォルトさせ、経営破たんに追い込むことで供給の安定を狙っているのかもしれない。

 その考えには危険な部分がある。16年3月末時点で、中国の民間債務(家計と企業の合計)はGDPに対して210%近くに達した。成長が鈍化しているにもかかわらず、債務の膨張は続いており、不良債権の増加が懸念される。今後もデフォルトが続くと、金融機関の経営や投資家心理が悪化し、信用収縮や資本流出が進む恐れがある。

規制緩和と減税で景気低迷を糊塗する中国

 このように考えると、中国の潜在成長率の上昇は期待しづらい。そのなかで、先行きへの懸念が高まったり、失業が増えて、社会情勢が不安定化する恐れもある。それを糊塗するために、中国政府は規制緩和や減税を通して景気の下支えを図っている。

 15年3月末、中国政府は個人向け住宅ローンの規制緩和を発表した。これは、住宅在庫(余剰)の解消を図り、需要を喚起する取り組みだ。規制緩和は想定以上に住宅価格を上昇させ、多くのエコノミストが中国の住宅市場ではバブルが膨らんでいると指摘している。

 住宅価格の上昇は、他の市場にも影響を与えた。15年末から16年5月上旬にかけて大連に上場する鉱石先物の価格は57%程度上昇した。これには、不動産開発などへの期待から鉄鋼製品の需給が改善するとの思惑が影響したのだろう。15年4月、中国政府がインフラ投資の推進を表明したことの影響もあるだろう。その結果、一部の鉄鋼メーカーは減産ではなく、増産に転じている。これでは需給調整は容易ではない。

 また、15年10月、中国は小型車減税も導入した。自動車減税も在庫圧縮を目的とした対策だ。減税の結果、自動車の販売台数は持ち直し、16年9月の販売台数は前年同期比で26.1%増加、16年通年の販売台数は前年から7%程度伸びると考えられている。

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