仕事帰りに気軽かつお手頃な料金でお酒を飲める「ちょい飲み」。あまり時間がないときでも「ちょっとだけ、1~2杯飲みたい」というニーズに対応したサービスで、ここ数年、外食チェーンなどが続々と参入している。
火付け役となった牛丼チェーンの吉野家をはじめ、ファミリーレストランチェーンのガストはアルコールが安くなる「ハッピーアワー」を導入しており、ハンバーガーチェーンのフレッシュネスバーガーやイオン系コンビニエンスストアのミニストップは新業態の展開に乗り出しているほどだ。
そんななかで、最近ちょい飲みに参入したのが持ち帰り弁当チェーン大手のオリジン東秀である。すでにイートインを設けた「キッチンオリジン」や外食業態の「オリジンダイニング」を展開しているが、これらの店舗の一部でちょい飲みメニューの提供を開始したのだ。なぜ今、企業が相次いでちょい飲み市場に参入しているのだろうか。
簡単に1000円を超えるためコスパは悪い?
オリジンは現在、持ち帰り弁当や惣菜の販売をメインにした「オリジン弁当」からキッチンオリジンへ、各地で店舗のモデルチェンジを行っている。ピンクを基調にした青色ロゴの見慣れたオリジン弁当の看板が、濃い焦げ茶色でシックなキッチンオリジンの看板に変わったことに気がついた人も多いだろう。
ちょい飲みサービスを提供しているキッチンオリジンは、都内に5店舗ある(ちょい飲みできるオリジンダイニングも都内に5店舗)。そこで、西武池袋線江古田駅近くにあるキッチンオリジン江古田店を平日21時ごろに訪れてみた。
店舗は、歩道から見て横長の物件が2つのスペースに区切られていて、右半分がレジや惣菜、つくり置きの弁当を置くスペースに、パーテーションで区切られた左半分がすべてイートインとなっている。客席は想像より広く、ちょっとしたファミレスを思わせる。
オリジン弁当やキッチンオリジンの最大の特徴は、惣菜が量り売りスタイルであること。サラダ、揚げ物、煮物、炒め物など、どれも100グラム183円(税込)均一(一部違う商品もあり)で、同じ容器に数種類のおかずを盛り付けることができ、その重さに応じて値段が決まる。
野菜を使った惣菜のメニューが豊富な上、栄養バランスを考えながら自分で盛り付けられるため、ダイエット中の人やいろいろな種類の料理を少しずつ食べたい女性客に需要があるとされる。キッチンオリジンでは、「働く女性のニーズに応える」ために、さらに女性向けのメニューを充実させている。